8月はお盆休みを取る医療機関が多いので、理事会はお休み。また、毎週やっている会議についても先週・今週とお休みでした。
ということで、あまり書くことが無いのです。そんな時は、医師会に入ろうと思っている新規開業を目指す先生に向けてのメッセージ。
自分も4年前には、そんな新規開業を目指す一人だったわけですから、あまり強いことは言えませんし、言いたくはありません。
何のことかというと、新規開業医というものは、先に開業していた先生からすればライバルであり、自分の生活を直接脅かす存在だと言うことなのです。ですから、新しい参入者はいないにこしたことはない。本当なら、来ないようにできるならそうしたいというのが本音でしょう。
自分は、開業の時には「競合医療機関はライバルではなく、それぞれの専門性を出すことで協力医療機関」と考えましょうと書きました。
実際は、そんな甘いもんじゃありません。医療崩壊の荒波のまっただ中にどっぷりと身を任せるご時世ですから、それぞれの医療機関は必死です。うちのような小さいクリニックなど、いつ大波に巻き込まれて消えても不思議はない。
特に都筑区は、住民の年齢が若いことが自慢の地区で、実際うちの患者さんの平均年齢は40歳代という、きわめて経営的に厳しい地域です(そんなことは開業前に調べておけ!!と言われそうです)。
特に昨年地下鉄新線開通で、各駅にクリニックビルが乱立し、新規医師会加入者の怒濤の増加があって、既存の医療機関はますます危機感を強めています。
住民の方からすれば、選択肢が増えてよさそうな話かもしれませんが、自由競争が禁じられている医療サービスにおいては、医療機関の適正でない増加は結局クリニックの萎縮につながりかねない部分もあり、諸手を挙げて歓迎というわけにはいきません。
すでに何度も書いていることですが、整形外科では1日の平均患者数は100人くらいが経営的に目安ですが、うちはやっと60人。4年近くかかって、やっとここまで来ました。
経営重視の医療を行えば(そういうやり方が間違いなくあります)、もっと患者数は増えるかもしれませんが、自分のやり方ではこれで目一杯。
ですから、いまだに月に5~6日の当直バイトをやめることができません。昼休みと言っても、のんびり昼寝ができるような曜日は皆無です。
われながら、よく働くなぁと思いますが、常道動物みたいなもので、止まる死んでしまうような恐怖を潜在的に抱えていることは間違いありません。
ですから、ですから新たに開業を考えている先生がいましたら、何かを決める前に医師会に相談してみてください。地域に精通したコンサルタントは、われわれ先輩開業医なのです。やみくもに新参者を排除しようとするものではありません。地域の実情を率直に説明する用意がいつでもあるのです。