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2009年8月18日火曜日

リウマチ勉強会 in 横浜

昨夜は遅くまでの勉強会で、簡単な報告だけにして申し訳ありませんでした。と、いうわけで、もう一度どうな会かをせつめいしちゃいます(おいおい、同じネタで2日かい!!)。

今、日本で関節リウマチ診療を牽引する人物を5人あげよ、と言われれば、必ずその中に入ってくる人物の一人が昨日の主役、埼玉医科大学教授の竹内勤先生です。

今度、慶応義塾大学の教授として埼玉から都内に転身してきました。それを記念してというわけではないでしょうが、竹内先生に日頃リウマチを専門でやっている数名の医者にだけ特別レクチャーをしていただいたという次第。

考えてみると、いつもずいぶんと贅沢な勉強会をやってもらっているわけです。リウマチという一つの病気にもかかわらず、大学によって微妙に考え方が違ったりしますので、いろいろな組織の先生の話を聞くことは大変有意義です。それだけ、日進月歩が激しくて、一定のコンセンサスが定まりにくいということなんでしょうか。

今回は、今年の世界でのリウマチの治療目標の話を聞き、びっくりしました。今までは、早期のリウマチと言えば発症から2年以内、この早期のうちに病気を押さえ込むことが重要であるというのが基本的な考え方でした。

ところが、最新のトレドはは違うのだそうです。早期というのは半年以内。半年以内に、「治った」と同じ状態の寛解までもっていくことが目標だというのです。

これはすごいことです。生物学的製剤の登場が可能にした話ですが、治療学の進歩の早さは、あまりにめまぐるしくて、本当について行くのがやっと。

これからは、ますます単なる整形外科医が扱う病気では無くなると言うことになります。ただし、ここで問題だと思うのは、6ヶ月以内に診断をして治療成果を出すというのは、かなり時間的に厳しい話ですね。というのは、治療学に比べて診断学の遅れが確実にあるからです。

世界で使われている診断のための基準は、アメリカの学会が1987年に作った物です。もう、20年以上前の物で、これだけ進歩の激しい病気にもかかわらずです。いまだに、これでは泣くしかありません。

自分の場合は、日本の学会が作った早期基準を利用することが多いのですが、これとて完璧ではなく、最後には医者の主観が入らざるを得ないというのが現状です。検査項目でも、絶対というものはありません。半年以内に寛解に持って行くためには、ますます早期に診断を確定することが必要になります。

MRI検査を導入するという考え方がありますが、MRI検査はどこにでもある検査ではありません。また、特異的な所見があるわけではないし、またMRIで手の細かい信頼できる画像を得ることは、かなり困難であると考えます。

とにかく、このあたりの整備無くしては早期寛解を達成することは不可能なので、こちらの整備についても是非早急にお願いしたいと考えています。

さて、写真は真ん中に竹内先生を挟んでの記念撮影。右側は、たまプラーザで開業している広田先生です。リウマチに関しては、青葉区は聖マリアンナ医科大学関連のひろた内科、都筑区は東京女子医科大学関連のあすなろ整形外科と言われるように、これからも一緒に勉強していきたいと思っているわけです。