2010年7月18日日曜日

星の王子さま

先頃亡くなった三遊亭圓樂師匠は、若い頃自分のことを「星の王子さま」と呼んでいた。当然馬面でお世辞にも「王子」という感じではないので、まああくまでもテレビ向けの洒落だろうとは思いますが。

でもって、本当の「星の王子さま」というと、普通はアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説のタイトルのこと。1943年に出版されたというから、もう67年も前のことになるわけです。
フランス語の原題はLe Petit Princeですから、本来はそのまま翻訳すると「小さい王子」となるわけですが、1953年に初めて岩波書店から翻訳本が出版された際に、翻訳者の内藤濯氏がつけたタイトルがあまりに有名となり、今でも使われているそうです。

中学生になって英語を学び始めると、小生意気なことに英語の本に挑戦したくなるもので、自分の場合も、教科書にさわりが出ていたルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」とこの「星の王子さま」は英語本を買ったことがあります。

当然、まともに読み切れるわけもなく、ただ本棚に並べてかっこつけていただけでした。ましてや、その内容もちゃっと理解することもなく、こどもの心を無くした大人に向けての寓話という認識しかありませんでした。

2005年に岩波書店の独占的翻訳権が消失したということで、この数年いろいろな出版社からあらためて新訳などが登場することが多くなりました。

王子は他の天体からきた宇宙人。いろいろな惑星で、ヒトの愚かさを象徴するものをいろいろ見たあとに地球にやってきたわけで、「大切な物は目に見えない」ということを主人公に伝えるわけです。

あらためて読んでみると、大変生きていく上で大切なことがいくつも説かれている。こどものうちにこれをしっかりと読んで理解していれば、いろいろな局面で多いに役に立ったかもしれません。

挿絵の可愛さだけではなく、内容をしっかりと理解してこどもたちにぜひ読むように薦めることのできる本の一つであることは間違いありません。夏休みですから、感想文の宿題に選んでみてはいかがでしょうか。