2011年11月17日木曜日

ときどき教育者

今日の午後は、新横浜でヘルパー講習会の講師。もう4年くらい続けているんでしょうか。まぁ、依頼が続く限りは是非続けたい仕事です。

医者は当然教育学部の出身ではないので、講義をするための特別のテクニックなどは元々持ち合わせていません。大学に在籍していると、「助手」という正職員になって、診療以外に教育と研究という三本柱をこなすことが義務になってきます。

最初は、ベッドサイドでの臨床実習をする学生の面倒を見るところからはじまりました。これは少人数のグループに対して、医者としての仕事を伝授する感じで、授業とは違います。

そのうち、同じようなグループに対してのクルズスという授業をするようになりました。毎週入れ替わりで実習にまわってくるグループに、臨床の空いた時間に1時間くらい決まったテーマの話をするものです。

医学部の学生に対しては、さらにチューターという方式の授業も担当しました。これは、与えられたテーマを学生が自分たちで学習して、その成果をまとめていくというもの。担当教員は学生が間違った方向へ向かわないように、全体の進行具合をコントロールするのが役目です。

講義らしい講義というのは、看護学部の学生にしたのが最初でしょうか。30人くらいの学生相手に、時間割に従って、いくつかのテーマについて授業をしていきます。でも人数が多くなってくると、学生からの反応が少なくなってくる。

それから、頼まれて理学療法士の学校に出張授業をしにいきました。これは1年間で整形外科の範囲をすべて解説していくもので、相手は医学部ではないので、話の内容は多少簡単にしないといけない。さすがにすべて一人でするのは大変なので、数人の医者で分担して行いました。

授業をするのは、どこかの予備校みたいなところで、学生も60人くらいいますので、完全に学校の「先生」状態でした。

そんなことをしているうちに、少しは講義らしい講義をする術をすこしずつ身につけたということでしょうか。時間に合わせて、なんとなくポイントをおさえた話をして、適度に(時には大目に)脱線しながら授業を進めることができるようになったというわけです。

アマチュアの自分が人に物を教えるというのはおこがましい感じがしますが、さすがに20年くらいそんなことをチョコチョコやってくると、まぁ多少は「先生」ぽいことが出来ているかなと思っています。