昨日、たまたまテレビを見ていたら・・・お寿司屋さんが、その日の予約の入っているお得意客に電話をしているところが映っていました。
「今日は、しけでいいネタが手に入らなかったので、店は休みです。」
つまり、客に出せるだけの魚がない。だから、店は休み。まぁ、普通は冷凍したネタとか用意してあって、それなりにこなすところでしょう。
「店を開けないというのは、けっこう大変。だけど、いいネタがないのに店を開けるのも大変」
なるほど、店を開ける勇気と開けない勇気と言うのがあるんですね。開けないと、あの店はいきなり閉まっていることがあるということで、客がつきにくいかもしれません。開けていても、出された寿司の味にばらつきがあると、客は二度とこないこともある。
実際のところ、どっちがいいのかなかなか正解はないですね。物の見方はいろいろですから、人によって評価は正反対になることは珍しくありません。
必ずいいものだけを提供するという職人としての信念をよしとするか、どんなものでも一定の水準で出せるのがプロと考えるか。まぁ、いいものをいつでも用意して休まず営業しているのが理想ということですけどね。
少なくともクリニックでは、開けない勇気というのはあまり関係ありません。自分の体調がちょっと悪いからと言って、今日は休みというわけにはいかない。もっとも、今にも死にそうな顔をした医者が出てきたんじゃ、患者さんも嫌でしょうけど。
患者さんに、去り際に「お大事に」といわれるのは医者としては屈辱的です。医者であるからには、自分の健康管理は最も大事・・・とは、思っても、なかなか「医者の不養生」は直せない。
医者になってから25年以上過ぎましたが、少なくとも病気で休んだことはありませんよ。開業医になってから、クリニックを閉めたことは・・・虫歯がひどくて夕方5時でギブアップが最も最悪の話。それ以外は、この前の震災で午後は休診にしたのと、停電のため夕方で閉めたということくらいでしょうか。
いつでも、予定通り開いているクリニックを目指して、これからも体調を崩さないように・・・年をとるほど気をつけないといけませんね。