2011年11月10日木曜日

Faure Chamber Musics

クラシック音楽にも絵画のような「印象派」があるわけで、特に19世紀フランスで、有名なトビッシーやラベルに先駆けて有名人だったのがガブリエル・フォーレ。フォーレの作曲で、最も有名なのは? たぶんレクイエムとピアノ独奏曲の夜想曲集でしょうか。

自分は古典からロマン派、つまり17~18世紀の作曲家が比較的好きで、どうも19世紀は苦手。特にフランスの人たちの、「芸術とはこういうもんだ」といわんばかりの、調性のはっきりしない、短調物が多い・・・そんなことを言うと怒られてしまうかもとれませんが、とにかくどう頑張っても好きになれない。

ただし、同じ頃でも東欧圏の国民学派は大好きで、なんともいえない素朴な大地に根付いたような美しいメロディの数々は、フランス印象派とは対照的です。

さて、フォーレですが、室内楽もけっこうたくさん残している。チェロ・ソナタはけっこう聞く機会がありますが、他はほとんど耳にすることはありませんでした。

このほど、新しい録音で室内楽をまちめたボックスが発売されました。苦手ではありますが、まとめて聴いてみると何かわかってくるものがあるかと、値段も手頃(5CDで¥1683!!)だったので購入してみたわけです。

ほとんどが2010年のデジタル録音で、音質については何の問題もありません。演奏者はバイオリンとチェロが若手の新進気鋭カプソン兄弟。ピアノはミシェル・ダルベルトとニコラ・アンゲリッシュが曲によって入っています。

ダルベルトはシューベルトの手堅い全集で知っていましたが、じつは他のメンバーはあまりよくわからない。実際に聞いてみると、演奏としてはなかなかいいのではないでしょうか。

こんなことを言うと生意気な感じですが、いろいろな作風の曲があるのですが、一貫してフォーレという一人の作曲家のイメージを持続している演奏だと思います。

ただ、ほぼすべてと言っていいくらい短調ばかりで、どうも眠たくなる。申し訳ありませんです。もっと明るいものもあってもいいかな。哲学でも考えているのか、人生の悲哀に耽っているのか、室内楽なのに全体が重苦しい印象を持ってしまいます。

やはり、フランス印象派は自分には向いていないのかな、と思ってしまいました。