周囲からあきれられながらも、バッハのカンタータをはじめとする教会音楽をひたすら聴いていると、すべてが傑作とは言えないというのが正直な気持ちです。
そりゃそうでしょう。いかに天才バッハとしても、毎週のように曲を用意しなければならなかったわけですから、時には駄作といえるようなものだって混ざっていて当たり前。
自分で新曲を用意するのが辛いときは、他人の曲を演奏したり、過去の自分の作品を歌詞を変えたりして再利用ということも幾度となくやってきました。
また、時には伴奏をかなり簡略化したり、歌手を減らしてたりするのも、人員の問題だけではなく、仕事を簡単にするというような目的もあったかもしれません。
クリスマスから始まる、キリスト教の新しい年のために、バッハは相当力を使ったことと思います。公現祭で、それが一区切りすると、バッハは今年の受難週をどうやって乗り切るかで頭の中が一杯だったのかもしれません。
そのせいか、公現祭後の主日用のカンタータは、あまりぱっとしません。公現祭後第2主日のテーマは、イエスが水をブドウ酒にかえたという話。今日のためのものは、3曲が残っています。
BWV155 わが神よ、いつまで、ああいつまでか (1716)
BWV3 ああ神よ、いかに多き胸の悩み (1725)
BWV13 わがため息、わが涙は (1726)
BWV155はワイマール時代のものですから、短いながらも多少聴きごたえがある。ソプラノの力強いレチターティボからの始まりのが新鮮。
BWV13も、テノールのアリアから始まります。リコーダーとオーボエが伴奏して、比較的印象的なメロディですが、あまり盛り上がるわけではなくやや長い。3曲目はアルトの独唱コラール。
まぁ、力の入ったものよりも、気楽に聴けるので、それはそれでいいかなぁという感じです。