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2016年6月16日木曜日

一間間口


昔のいろいろな単位は、基本的には現在は使われていませんが、生活の中に言葉としてあちこちに残っていたりします。

長さの単位について言えば、約30センチの尺というのがあります。1尺の1/10にあたるのが寸。1寸というのは、約3センチ。一寸法師のように、すごく小さいことを表現するのに使われる。

一方、10尺は丈(じょう)という単位で呼ばれますが、現代ではあまり聞くことは無いですよね。ところが、尺と丈のあいだに間(けん)というのがあって、これは今でも使うことがある。

1間は6尺ですから、約1.8メートル。畳の縦の長さが1間。1辺が1間の長さの正方形の面積を1坪と呼んでいます。

昔の江戸、つまり東京では長屋や商店なんかでは、入り口の幅が1間というのがよくあって、一間間口とか呼ばれていました。

写真は渋谷の駅前、釣り道具の老舗、サンスイという店。これが実に一間間口だと思うのですが、自分が小学生の時にすでにあった店です。高学年の時に釣りに何度が行くことがあって、ずいぶんと出入りしました。

入り口は狭くて、奥行きはある程度ありますが、ほとんど上にあがるための階段で場所を占めているような作り。

渋谷の駅前は再開発が進んで、自分が子供の頃に慣れ親しんだ建物はほとんど無くなってしまいましたが、サンスイのようなまるで鉛筆のようなビルがいまだに残っているのは奇跡に近い感じがします。