80年代にパソコンが登場して慣れ親しんでから、今までに散々データを失って呆然とするというガッカリを繰り返してきました。さすがに、少しずつ賢くはなっていますが、それでもそれは突然起こるもので、完全に防ぎきれるものではありません。
とにかく簡単に完全なバックアップを取り、いざという時にはできるだけ短時間に復旧させることができる方法が欲しい。特にクリニックで使用している機器については、患者さんの個人データが満載ですからなおさら重要。
おそらく、PCが搭載しているHDDまたはSSDのクローンをリアルタイムに作るというのが究極の方法で、基本的にそれを叶えてくれているのがRAIDというシステム。ただし、同じシステム内に存在しているので、システムそのものが壊れた場合は、記憶装置は生きているかもしれませんが、さしあたってどっちも使えなくなってしまいます。
同等のPCを用意しておいて、搭載する記憶装置のみを入れ替えることで、おそらく最も早く復旧が可能になると思いますが、かなり作業は大掛かり。データだけの復旧であれば、別システムにRAIDを組んでおけばいいのですが、この場合は先日紹介したSynologyのNASは大変便利です。
ただし、データを日々コピーするバックアップ作業が、なかなかしっくりこない。いろいろな同期ソフトを利用してみても、なにかしコピー失敗ファイルがあって、100%の同期がとれているのか不安があるんです。
いろいろ探していると、おそらく一番良いと思えるものがまた見つかりました。それは、なんと今や懐かしいDOSのコマンドラインから使うrobocopyです。
これは当然Microsoft純正のコピー・コマンドの一つ。Windows10では、PowerShellか「Windowsシステムツール」の中からコマンドプロンプトを起動して、懐かしいコンソール・ウインドウを開いて使います。
GUIではないと取っつきにくいと思う人が多いと思いますが、自分の場合は昔からコマンドプロンプトを頼りにパソコンをいじってきたので、かえって楽しい。
もともとネットワークを意識したバックアップのためのツールだそうで、基本的なコマンドであるcopyや、あるいはxcopyなどの拡張版みたいなもの。
基本的な使用方法は、
C:\> robocopy ??? ???
だけでOK。???にはコピー元とコピー先のフォルダー名を指定します。
オプションに/MIRをつけるとミラーリングとなります。
C:\> robocopy ??? ??? /MIR
その他にもたくさんのオプションが用意されていて、相当細かくいろいろな指定もできますが、詳しいことは紹介している別のサイトを参照してください。