Mondo Grossoは、2000年前後にブレークしていたユニット。
もともとは、沖野修也・好洋との兄弟DJユニット「Kyoto Jazz Massive」のなかから派生して渋谷のクラブを本拠地にしていたクロスオーバー・ジャズ・バンド?なのかな。
このあたりは、おじさんにはよくわかりにくいのですが、ラップを取り入れたビートのきいた音楽、時にはラテン風だったり、時にはゲスト・ボーカルを入れてのりのりです。
いろいろなRemixバージョンが登場し、一つの素材を多方面から聞かせるところも人気の理由だったと思います。2000年以降は、ベーシストの大沢伸一を中心とするユニットとして、海外でも積極的に活動しました。
2000年の「MG4」、2003年の「NEXT WAVE」は、自分のようなクラブとは遠い所にいるおじさんにも届いて、特に車の運転中に聞く音楽としてけっこうお気に入りになりました。
特に、当時人気だったBoAをボーカルに起用した「Everything Needs Love」は、ボーカルを楽器的に処理していく手法にうなってしまいました。
2006年以後は活動を休止していたのですが、2017年に「何度でも新しく生まれる」、そして2018年にその続編となる「Attune/Detune」を発表しました。
なんと、14年ぶりの新作は、全編にボーカルが入り、しかも歌詞が日本語というまさかの企画。Mondo Grossoとは切っても切れない関係にあるbirdによる「TIME」、実力派女優に成長した満島ひかりによる「ラビリンス」、乃木坂46の齋藤飛鳥による「惑星タントラ」などがアルバムの白眉だと思います。
あいかわらず従来の雰囲気の中に、今どき感が微妙に入り込んでのりのりの曲もあればしっとりした曲もあり、十分に聞きごたえがあります。さらに体を動かせる人には、もっと楽しめる音楽なんだろうと思います。
何だかキャラだけで見せる「アイドル」全盛のJPOPの中で、数少ない音を聞かせる音楽として貴重な存在かもしれません。