2019年7月15日月曜日

おばけット 12 だいぶ膨らんだ


膨らみ具合については、今回はかなりいい感じになってきました。

膨らみに関しては、一番の原因は生地が弱すぎるということではないかと。よく、こねあげた生地を持ち上げて広げると薄いゴムのようにひろがる写真や動画があるんですが、なかなかこの感じが出ていませんでした。

薄く伸びるのは、グルテン膜が形成されて「生地がつながってきた」ということ。バゲットの作り方で、ほとんどこねない方法と、しっかりこねる方法があるんですが、自分が今までやってきたのはその真ん中あたりの中途半端なところだったようです。

こねるなら、もっと徹底的にこねろということなんですが、手首や指が痛くなってくるので(汗!)・・・こねない方法を徹底してみることにしました。

こねないと言っても、材料を混ぜて終わりでは当然ダメ。ここでは、こねるというよりも、しっかり伸ばして折りたたむという感じ。つまり、パン用語で言う「パンチを入れる」ということ。

まず、材料は今までとちょっと違う。

準強力粉は、ラ・トラデイション・フランセーズを使います。これは、フランスのVIRON社製の、値段は高めの高級品。商売として使うにはちょっと・・・ですが、個人の楽しみですから贅沢しちゃいます。

それと、水。今までは、普通の水道水でした。それでいいと本にも書いてあるんですが、やはりフランスで使われている硬水のほうが、仕上がりのパリっと感が全然違うらしい。そこで、超硬水のCONTREXを用意しました。だいたい1/5をCONTREXにして硬度を300~350くらいに調整します。

準強力粉 ラ・トラデイション・フランセーズ 250g
加水 70% (CONTREX 40ml + 水道水 135ml)
ゲランドの塩 5g (2%)
モルトエキス 0.6% (1.5g)
インスタントドライイースト 0.4% (1g)

塩以外は一度に混ぜますが、本当に混ぜるだけ。できるだけ切るようにして、こねないように注意します。だいたい混ざって、少しくらい粉っぽいところがあってもOKです。

ここで、最初の休憩。つまりオートリーズを20~30分とります。表面のガサガサ感が無くなって、滑らかな感じに水が浸透したら終了です。

塩を投入してから1回目のパンチ。ヘラかスケッパーで奥底から全体を持ち上げるようにして、伸びたら折り返してたたみます。この全体を「伸ばす」という感じが大事らしい。

90度ずつずらして4回やると1周で、3周くらいすると生地全体がつながって持ち上がるようになってきました。5周くらいで、生地の伸びも良くなってきた感じがしたので、ベンチタイム20~30分です。

2回目のパンチを同じように行って、再びベンチタイム。その後は3回目のパンチを1周くらいの軽めに行って容器に移して一次発酵に移ります。これは10度前後の冷蔵庫の野菜室で、8~12時間。生地が1.5~1.8倍くらいに膨らんでいれば終了。

発酵が終了したら、生地を台で三つ折りにしてベンチタイム20分。成形したらパンマットに並べて2次発酵。オーブンは300度で天板ごと予熱開始し、予熱終了が近づいたらクープを入れて、全体に霧を吹きます。

今回は、もう一つ秘密兵器として銅板を用意しました。予熱が終わって、生地を移す時に時間がかかって温度が下がるのはできるだけ避けたい。銅は熱伝導がよく、銅板に生地を並べて、そのままさっとオーブンに投入することができるため、家庭でバゲットを焼く時は必需品と言われています。

スチーム付き300度で10分間、前後をひっくり返してスチーム無し25度で20分間の焼成を行いました。


少し焦げすぎかとは思いますが、クープは綺麗に開いてエッジも立ち上がった感じは今までで一番いい出来です。まぁまぁ膨らみも悪くなく、生地がうまくつながって楕円形になっています。

ただ、残念なのは気泡の入り具合が今一つ。発酵不足がありそうです。2次発酵を予熱タイム+α(約20分)としたのですが、さすがに短すぎたかもしれません。次は、発酵時間をもう少し研究してみましょう。