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2019年7月23日火曜日

亜蘭知子 / 神経衰弱 (1981)

亜蘭知子・・・と言って、知っている人がどれだけいるか。何しろ活躍していたのは80年代で、1990年のアルバムを最後にシンガーとしてはほぼ引退している感じです。

2011年にはベストアルバムが発売され、それに伴いライブを行ったらしいのですが、特にCD、DVDなどにはなっていないようです。

当時は、松田聖子から始まる女性アイドル歌手の全盛期でしたが、アイドルでもやっていける「カワイ子ちゃん」系のルックスでありながら、ジャズ、クロスオーバーの畑で日本語の歌をのせていくテイストが独特で、マニア心をくすぐる異彩を放っていました。

これは、当時人気があったフュージョンバンド「MARIAH」の清水靖晃(sax)、笹路正徳(key)の仕掛けがあったと思います。その後、全盛期だったカシオペアの力を借りたりと、スクウェアとタッグを組んだマリーンと双璧をなしていました。

ただ、歌手としては声量が足りない。アンニュイな感じでは雰囲気をだせるのですが、お世辞にも歌唱力があるとは言えず、そのあたりはアイドルとあまり変わりがない。それでも、自ら書く歌詞の面白さと、提供する作曲家人の豪華さで注目する価値を保ちました。

「神経衰弱」はデヴュー盤で、いきなり最初の曲から古めいたスイング調で、ジャズも大好きという人はぐっとくるところ。今の方が、いろいろな価値観が成り立っていると思うので、もう一度フュージョン系JPOPとして大人の歌を世に問いてみてもいいんじゃないかと思います。