2021年2月9日火曜日

ファンタジア (1940)

洋画を見る時、字幕付きで見ますか? それとも日本語吹き替えで見ますか?

自分の場合は、圧倒的に字幕。そもそも外国の人が日本語を流暢に話しているのは違和感あるし、時には口の動きと聞こえる声が合っていないのも嫌。

その俳優さんの声をちゃんと聞きたいというのもありますし、確かに山田康夫のクリント・イーストウッドは合っていたことは否定しませんが、山田康夫が亡くなって、別の人が吹き替えするのは何か違う。だったら、最初からイーストウッド本人の声がいい。

AmazonとかのDVDのレヴューで、やたらと吹き替えが完全じゃないと文句を言う人がいるんですが、自分はどうでもいいわけで、場合によっては安けりゃ海外版でもOKみたいなところがあります。

例えば、キューブリックの「2001年宇宙の旅」なんかだと、もともとセリフは少ないし、何度も見て話しはわかっているので字幕すらいらないくらい。それよりも、確実に吹き替えはいらない、字幕すらいらないという驚異の名作がこれ。

ディズニーの長編3作目にあたる古典的映画ですが、何しろ全編クラシックの名曲に合わせた驚異のアニメーションで、耳に聞こえるのは基本的に音楽だけです。史上初のステレオ録音というのもポイント。

巨匠レオポルト・ストコフスキー指揮による。フィラデルフィア管弦楽団の演奏で登場するのは・・・

ストコフスキー編曲のオーケストラ版のバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」
デュカスの「魔法使いの弟子」
ストラヴィンスキーの「春の祭典」
ベートーヴェンの「交響曲第6番 田園」
ポンキエッリの「時の踊り」
ムソルグスキーの「禿山の一夜」
シューベルトの「アヴェ・マリア」

映像に合わせて音楽を用いるのではなく、音楽に合わせて映像を作った画期的なものでした。幻想的なアニメーションが次から次へと登場し、とにかく目を奪われること間違いなしです。

自分は何歳だったか思い出せませんが、小学生の時に映画館で見ています。とにかくその時の印象が強かったことだけは間違いない。ディズニーのアニメはこどもができてから、いろいろと買い揃えましたが、実は「ファンタジア」は真っ先にレーザーディスクで買っていました。

クラシックに興味が無い人でも、なかでもストーリー性が明確な「魔法使いの弟子」と「禿山の一夜」はわかりやすいし、80年前の作品とは思えない斬新さを見出すことができます。

特に「魔本使いの弟子」はミッキー・マウスが登場するので人気も高い。「禿山の一夜」から「アヴェ・マリア」にシームレスに移行するフィナーレは、「闇から光へ」を表現した素晴らしい出来栄えです。

2000年に「ファンタジア2000」として続編が作られていますが、やはりオリジナル版を超えるようなものではありません。現在ではBlurayで、ほぼオリジナルの状態で鑑賞できるとは良い時代になったものです。