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2021年2月7日日曜日

サウンド・オブ・ミュージック (1965)

言わずと知れた、ロバート・ワイズ監督による名作ミュージカル映画。アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞をはじめ10部門を制覇しました。

ナチス・ドイツの脅威が迫るオーストリアで、新米家庭教師のマリア(ジュリー・アンドリュース)が、 トラップ家にに赴任。厳格な父親ゲオルクのもと、7人のこどもたちと伴に歌を通して心を通じます。

ゲオルクもしだいにマリアに惹かれ、二人は結婚し家族全員で合唱団を結成。コンクールに出場し優勝しますが、ナチスに反対するゲオルグは家族を伴ってスイスへと亡命しました。

・・・と、まぁ、ごくごく簡単にあらすじを説明するとこんな感じですが、実はこれ、実話をもとにしています。

マリアがトラップ家に来たのは1926年のことで、翌年ゲオルクと結婚。1935年、一家はザルツブルク音楽祭の大衆歌手コンテストで優勝しトラップ室内聖歌隊としてコンサート活動を始めました。1938年、オーストリアはナチスに併合され、アメリカへ亡命。トラップ・ファミリー合唱団として人気を得ました。

1949年にマリアが書いた自叙伝をもと、数々のスタンダードを世に送り出したリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世の楽曲によりブロードウェイ・ミュージカルがヒットし、ならばというので映画化されたというもの。

2年前のエリザベス・テイラー主演の歴史巨編「クレオパトラ」の大失敗により、会社の存続すら危ぶまれた20世紀フォックスは、「サウンド・オブ・ミュージック」の成功により持ち直しました。

冒頭、広大な丘陵でアンドリュースによって歌われる「サウンド・オブ・ミュージック」は、映画の世界観を現す印象的なシーン。音楽をこどもたちに教えるため歌われる「ドレミの歌」、嵐の夜の怖さを紛らわすために歌う「私のお気に入り」、コンクールでの「エーデルワイス」など、広く知られた楽曲が登場します。

ここで、父親役を演じたのはクリストファー・プラマーで、サイレント期を思わせるような端正なくっきりとした風貌です。カナダ生まれ、首相も輩出した名家の出身。音楽的な素養もあり、この映画でも歌を披露します。自分場合は、プラマーは、心理サスペンスの隠れた傑作「サイレント・パートナー(1970)」という映画で知った俳優で、凄みのある悪役を演じていました。

ちょうど「サウンド・オブ・ミュージック」を見直したばかりなのですが、偶然、2月5日に91才で亡くなったことが報道されました。ご冥福を祈ります。