60年代を代表するミュージカル映画というと、「サウンド・オブ・ミュージック」と伴に不朽の名作とされるのが「ウエスト・サイド物語」です。何と、どちらも監督はロバート・ワイズ。
もとは1957年初演のブロードウェイ・ミュージカルであり、音楽はポピュラー音楽にも造詣が深いクラシック界の巨匠、レナード・バーンスタインが担当しました。映画でも多少の変更はありますが、舞台の音楽をほとんど使用しています。
内容は、シェークスピアの恋愛悲劇「ロミオとジユリエット」であることは良く知られていて、場所はニューヨークの下町に帰られました。
モンタギュー家をリフ(ラス・タンブリン)が率いるポーランド系非行グループのジェット団、キャピュレット家をベルナルド(ジョージ・チャキリス)が率いるプエルトリコ系非行グループのシャーク団に置き換われました。
そして、ロミオであるジェット団のトニー(リチャード・ベイマー)が、ジュリエットであるベルナルドの妹マリア(ナタリー・ウッド)に恋をすることになっています。
ジェット団とシャーク団はお互いに縄張りを争っていて、トニーがマリアに近づいたことで、リフとベルナルドは決闘することになり、間に入ったトニーがベルナルドを殺してしまい、マリアに思いを寄せていたジェット団のチノにトニーも殺されてしまうという悲劇です。
ジュリエットが死んだと勘違いしてロミオは自ら命を絶ち、それを知ったジュリエットも後追い自殺するというシェークスピアの結末と違って、マリアは争うことの無意味さを切々と歌って去って終わります。
何と言っても映画版では、踊りのシークエンスが見事。バーンスタインの音楽に合わせた、スタイリッシュなダンスは同時大変に話題になりました。
挿入歌としても、「アメリカ」、「トゥナイト」、「マリア」などのヒット曲が生まれ、サウンドトラック・レコードも大ヒットしました。アカデミー賞では、11部門にノミネートされ、脚色賞以外の主要部門を総なめにしました。
ただ、主要キャストの歌唱が、当時としては「当たり前」のように本職の歌手によって吹き替えられていて、演じた側、歌った側の両方からいくつかの訴訟を起こされたりしています。また、ブルジョア感の強いナタリー・ウッドが、どう見てもプエルトリコ系には見えないというところもしばしば言われているところ。
現在、スティーブン・スピルバーグが、リメイクを制作中ですが、基本的にはバーンスタインの音楽を使用しているようです。ミュージカルは初めてのスピルバーグがどのようにこの名作を料理するのか、お手並み拝見というところです。
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