2022年5月6日金曜日

イタリア・ワインの話 4 ラベルを読む


どの国のワインでも、必ずいくつかの項目を法的に明記する義務があり、任意項目も含めいワイン・ラベルの情報は選ぶ際の重要な情報を提供しています。従って、ラベルを正しく読むための知識はどうしても必要です。

最も目につくように記載されているのは、通常、いわゆる銘柄で、これは政府が公認した格付けの名称であり、固有の商品名ではありません。これが、品種名だったり産地名だったり、あるいはいろいろ混ざっていたりするので混乱する原因になっています。

例えば「Barbaresco」はDOCGの呼称ですが、ピエモンテ州の産地の町の名前で、土地としては直径数kmくらい。格付け上は、隣接するネイヴェ、トレ・スッテレ、トレイゾの町が含まれますが、全体でもせいぜい5km四方くらいの地域。

「Amarone」もDOCG名ですが、正確には Amarone della Valpolicella であり、「ヴァルポリチェッラ(地域)からの苦み」という意味。classicoが付くと、新たに植えたブドウ畑ではなく古くからある畑から収穫したということになります。

「Lambursco Grasparossa di Catelvrtro」は全部でDOC呼称名です。カステルヴェルトという町もあるんですが、数種類あるランブルスコのの品種の一つです。その下に小さく書いてあるのは、これがDOCの格付けであるということ。バルバレスコやアマローネにも小さくDOCGの記載がありますが、無い場合は別の小さなラベルとして注ぎ口の近くに貼ってあります。

同一年に収穫されたブドウを85%以上使用している場合に、ヴィンテージ(vendemmia)または収穫年(annata)として西暦が記載されます。生産者、つまりワイン・メーカーの名称が、「Terre del Berolo」、「TOMMASI」で、「CANTINA DI SOLIERA」は古くからあるソリエラ町のランブルスコの協同組合の醸造所です。

他に知っておくと役に立つ表記は赤(Rosso)、白(Bianco)、ロゼ(Rosato)、発泡性(Spumante)、甘口(程度によってAbboccato、Amabile、Dolce)、辛口(Secco)、土着のブドウ畑(Classico)、高アルコール濃度(Superiore)、長期熟成(Riserva)などでしょうか。

750ml・e(あるいは75cl・e)は容量ですが、eはEU公認量の印。14%volはアルコール濃度です。裏側にもしばしばラベルがあり、詳しいブドウ品種などが記載されていることがありますが、輸入した日本代理店が日本向けのシールを上から貼ってしまうことが多いのが残念なところ。

スマートホン用のアプリで、ラベルの写真を撮ると瞬時にそのワインの詳しい情報を表示してくれるものがありますので、そういうものを活用するのもお勧め。有名なものから、超マイナーなものまで、けっこうな確率でデータが揃っているので驚きます。

値段だけで購入を決定していたことが多かったのですが、ラベルを情報をしっかり理解すれば、ワインを楽しむコストパフォーマンスがかなり上がるということです。