2022年5月20日金曜日

アスパラガスとトマトのスープ・スパゲッティ


イタリア人からすれば、なんのこっちゃイタリアンの一つが「スープ・スパゲッティ」です。

本場イタリアにも、スープの中にパスタを入れるというレシピはあることはあるのですが、それはほぼショート・パスタであって、スパゲッティのようなロング・パスタはソースを絡めてフォークで食べる物というのが常識。

どこでどうなったのか、そのいわれはよくわかりませんが、何故か日本では、スープの中にスパゲッティが浮いているというメニューがけっこう普通に存在します。

これって、日本人に馴染み深いラーメンのことを考えれば、いかにもありそうな違和感のない料理かもしれません。うどんとラーメンとパスタは、多少の違いはあってもほぼ小麦を練った麺というところでは一緒です。

けっこう昔からあって、自分もよく利用したアサリ・コンソメのレトルトは結構美味しい。ただ、少しだけ不満なのは、比較的サラっとしたスープなので麺にからまないというところ。つまり、スパゲッティとスープが分離した状態で食べている感じです。

さて、一度スープ・スパゲッティを作ってみようかと思い立って、どんな味にするか考えてみた結果はこれ。ラーメンみたいにスープたっぷりすぎてもどうかと思い、少な目のスープで、ある程度濃厚さがあってパスタにもからみやすいものにしてみました。

題して「Zuppa di asparagi e pomodoro con spaghetti (スパゲッティ入りのアスパラガスとトマトのスープ)」という感じでしょうか。

フライパンにオリーブ・オイルにニンニクみじん切り、香りがったったらスライスしたタマネギとマッシュルーム、そしてアスパラガスを入れて炒めます。塩胡椒でだいたいの味を決めたら、ここでトマト・ソース入れてもいいんですが、フレッシュ感が好きなので生トマトみじん切りを入れてしばらく煮ます。

ここでスープのベースになる大事な「調味料」がソフリット。タマネギ・ニンジン・セロリの香味野菜三兄弟のみじん切りを、ペースト状になるまで炒めて冷凍しておいたもの。好きなだけ入れればいいんですが、今回は一人前で大さじ1程度の目安で使いました。

スパゲッティはある程度ほぐれたら、すぐにフライパンに移し、かなり多めの茹で汁も加えて、スープの中で茹で上げていく感じ。スープと麺が分離した感じにならないように、しっかりとパスタにスープを吸わせるのが目的。今回は8分茹での1.7mmに対して、5分くらいで移しています。

お皿というよりは、深めのボールに移してフォークとスプーンでいただきます。旨味の出る野菜ばかりを使用しているので、下手なコンソメの素とか入れるより、超絶に美味しい出汁が出ています。麺をしっかり煮たことと、煮崩れたトマトのトロミ感もあって、スパゲッティにスープがしっかりとまとわりつく感じに出来上がりました。

ただし、わざわざスープ化するメリットは「??」というところで、ダメとまでは言いませんが、積極的に普及するとも思えないというのが正直な感想でしょうか。