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2022年5月24日火曜日
ナポリタン
イタリア人からすれば、究極のなんのこっちゃイタリアンが「ナポリタン」ではないでしょうか。
日本では、昭和の時代から最もよく知られた洋食として認知され、自分もこどものときから今に至るまで大好きなスパゲッティのメニューの一つです。スパゲッティと言えばイタリアの食材ですから、当然ナポリタンは何の疑問も無くイタリア料理と思っていました。ところが、実はこれは日本独自のものであり、イタリアにはこのようなパスタの食べ方はありません。
しかし、歴史的にも人気があるので、いろいろなイタリア料理の日本人シェフ達も無視するわけにはいかず、それぞれがこうすればもっと美味しくなる「究極のナポリタンのレシピ」を公開していたりします。
ただ、やはり自分としてはこどもの時に、デパートの最上階の洋食レストランなどで食べた、ごくごく普通のケチャップまみれのナポリタンが食べたくなる。YouTubeのファビオ飯で紹介されているものは、こだわりの作り方ながら納得のシンプルなもので、美味しいケチャップが手に入ったので(・・・ってか、実はこれもファビオ飯を参考に手作り)、早速真似してみました。
スパゲッティは太目のものが適しています。今回は2.0mmです。茹で時間は9分となっていますが、珍しくボイル・オーバー、つまり1分ほど茹で過ぎにします。時間になったら、ザルにあげて冷ます。ここからして、もうイタリア料理のパスタの基本から大きく外れたありえない扱い方です。
これは、ひとえにパスタの麺にもちもちした感触を出すためで、洋食屋さんでは冷蔵庫で一晩寝かせて翌日に調理するくらいのことをしたりします。
具材は王道のスライスしたタマネギ、ソーセージ、マッシュルーム、ピーマン。オリーブ・オイルでソーセージから炒め、次にタマネギ、そしてマッシュルームという具合に順番に入れ、最後のピーマンに軽く火が通ったら、ケチャップをたっぷりと合わせて冷めたパスタを投入します。
市販のケチャップの場合は、少し煮詰めて酸を飛ばしてからパスタを入れますが、自家製ケチャップで酸はきつくなく濃厚なのでその工程は飛ばします。スパゲッティにケチャップが絡んだら、混ぜずにそのまま強火で1~2分放置。これは麺を焼くという工程で、ナポリタンの独特の美味しさの秘訣ですが、これもイタリア人からすればありえない調理法です。
つまり、ナポリタンは麺はスパゲッティで、ソースがケチャップの「焼きそば」ということ。デュラム小麦の硬質のアルデンテが知られる以前は、日本のスパゲッティの麺は柔らかいもっちりとした食感が普通だったんですよね。最後にバターを少々入れ、溶けて全体に混ぜたら出来上がりです。
実はドリアを創作したのと同じ頃に、横浜ホテルニューグランドで「スパゲチ ナポリテーイン」として始まったらしい。戦後に進駐軍と共にケチャップ文化が入って来たことで、急速に洋食レストランや一般家庭に広まったと考えられています。
確かに、本家のパスタとは一味も二味も違うかもしれませんが、これはこれでめちゃくちゃ美味しいことには変わりありません。タバスコとかをちょっとかけて食べるのがスタンダードです。