2016年2月4日木曜日

CT検査


CT検査は、レントゲン検査の一つ。

もう自分が医者になる前からあるので、当たり前のような検査になっている。

もともと単純なレントゲン写真でも、断層撮影という方法がありました。レントゲン線を出す管球という部分を撮りたい場所を中心にして円を描くような移動をさせると、撮りたい場所だけが濃く写ってくるというもの。

ただし、管球の動きのために、どうしてもぼやけた写真になってしまい、あまりわかりやすい写真ではありませんでした。

CTは、Computed Tomographyの略で、コンピュータ断層撮影と呼びます。撮影部分に対して極力ピンポイントのレントゲンを照射し、かつ360゜周りを回転するように撮影することで、きれいな断面の撮影像が得られます。

さらにコンピュータ処理をして、できるだけ画像を鮮明にしたり、白黒の色の違いを強調することで、普通のレントゲンでははっきり写せないところも形として描き出せるようになりました。

単純写真でのレントゲン線の被爆は、仮に毎日のように撮影しても健康には無視できる程度です。しかし、CT検査では多量の被爆が必須ですので、さすがに毎日のように行えるものではありません。

30年前にレントゲン線を使用しないMRI検査が登場してからは、徐々に使用する場面は減っていき、特に整形外科領域ではほとんど必要が無い検査になりました。

MRI検査の登場は、整形外科には革命的なもので、それまで日常的に行われていた脊椎造影、関節造影といった検査もほぼ無くなりました。自分のような世代が、それらの検査を普通に行っていた最後の世代だと思います。

現在は、自分の領域ではCT検査は胸部に対してだけは必要です。リウマチ患者さんの肺の合併症では、撮影時間のかかるMRIでは、撮影中ずっと息を止めていられないために精度の高い画像が得られません。

必要な検査は、必要な分だけ、適切に選択して行うことが重要です。