トヨタの新型車プリウスαは、相変わらず話題性では群を抜いていて、ホンダから対抗馬のフィットシャトルが発売されても微動だにしないという感じです。
もっとも、フィットシャトルとは微妙にコンセプトが違うわけで、まったくのガチンコではないので、ホンダにとってはプリウスαと比較されるのは迷惑かもしれません。
プリウスαが目指しているのは、海外向けバージョンに端的に現れているようです。ヨーロッパ向けはPrius Plusという名称で3列シート7人乗り、アメリカ向けがPrius Vと名を変えて2列シート5人乗りになっています。
つまり、現状で最大限のECOを期待できるハイブリッドエンジンを搭載し、同じ車体を用いてミニバンとステーションワゴンを作ったということですね。それぞれ、「プリバン」とか「プリゴン」と呼ばれているようです。
通常のプリウスがセダンとしては、やや不満が残ることはよく言われていて、室内の狭さ、安っぽいインテリア、走行中の音がけっこうするなどが目立っています。
そこでトヨタの技術陣は、プリウスというブランド力はそのままに、一から設計しなおして新しいスペース(空間)タイプを作り上げたわけです。
ゆったりとした上質の乗り心地と十分な収納性、そして相対する燃費効率をあげるという命題をある程度解決したことが今の人気の大きな要因でしょう。
自分はゴルフをしないので関係ないのですが、4つのゴルフバッグが余裕で載せられるというのは大きなポイントであることは間違いありません。
実際、購入者の年代も30代~60代まで、比較的均等に散らばっています。若い人はスタイリッシュなRV的な期待、中高年はいざというときは多くの人や荷物を乗せることができる利便性を求めているのでしょう。
一番の問題は、再三書いているように納期。特にエコカー減税の問題がからむだけに、いつ納車されるかは大きな関心を持たざるをえません。東日本大震災がなかったら・・・というのは、トヨタも購入者も思うところではありますが、ないものねだりをしてもしかたがありません。
6月に納車されたという話はチラホラとネットに出始めていますが、トヨタ本社は原則納車は7月以降と販売店に指示しているわけで、すでに納車された車は本来ディーラーの展示用・試乗用のものを顧客にまわしているのだそうです。
しかし、その分一般の客は触れることも、見ることさえままならないという状況が続いているのは、どうなんでしょう。自分もそんな状況で注文の契約をしているわけで、やはりそれなりの不安もつきまとうわけです。
さらに、最近になってYahooオークションに車体そのものが、「即納」できるとして売りに出たり、あるいはカスタムカーショップなどが相当早くに何台も注文をかけて、早くも売りに出しているという状況にも疑問を感じます。
このあたりはトヨタがコントロールできない部分かもしれませんが、1年という異例の長期間の納車待ちを我慢できるのは、フェアに納車されていくという前提があるからです。
トヨタは、すべての車種の納車待ち期間がある程度均等になるような生産体制をしてもらいたい。結局それが需要と供給の適正なバランスであり、メーカーに対する信頼にもつながるというものです。