2011年12月26日月曜日

トヨタ アクア (プリウスC) 正式発表


さてさて、本日トヨタの新しいハイブリッドカーのアクアが正式に発表されました。プリウスCとしてコンセプトモデルが公開されてからほぼ一年、ついにこの日を迎えたという感じでしょうか。

一つの車という商品に注目して、ずっと追いかけてみると、なんとなく今の日本の一面が見えてきたような気になりました。それほど大袈裟なことでもないのですが、トヨタのいう一企業のいろいろな面がわかったかも。

コンセプトモデルは商業性はほとんど無視して、技術者が作りたい車を作ったもの。さすがに、そのままでは商品にはなりません。夏に現実的な試作車が完成して、その走る姿をスパイ動画としてリーク。その反応をみているわけでしょうね。

9月末にだいたいの値段を出し、11月に本来非公開の内部マニュアルを配布。今の時代ですから、あっという間にネットを通じて広まりましたが、当然トヨタとしてもそんなことは承知の上でしょう。

実際の販売をするディーラーでは、だいたいの購入希望者の数を調べたりして、どのくらい売れるものか予想している。当然その結果は、相当な売れ行きを確信させたのでしょう。

ここからは強気の戦略で、巷が小出しのリーク情報で盛り上がるほどにいっさいだんまりを決め込むわけです。新規の情報がないほどに、メディアやネットは憶測からさらにわさわさしていくわけで、この過程がけっこう面白い。

初めはエコカー減税が来春で終了という予定だったのが、購入希望者をあおる話題の一つでした。ところが、12月頭になってエコカー減税は延長、さらにエコカー補助金の復活まで決定し、高めの印象の価格情報も打ち消すことにつながりました。

まぁ、政治経済界の裏事情みたいなものがいろいろあるんだろうなと思わずにはいられませんが、2011年の時点で自動車の中でハイブリッドカーを選ぶ時の大きな指針になっていることは間違いありません。

今日は午後1時半からトヨタが発表した内容は、事情通からするとそれほど目新しいことはありません。アクアの特徴は、日本のニーズに合わせたコンパクトカーの大きさ、車離れといわれる若者をターゲットにポップなオプション、そして何と言っても世界最高の燃費性能ということになります。

基本装備を最少にまで絞込み、内装もコストダウン。そのかわり、びっくりするほど大量のオプション設定によって、自分の好みのスタイルにカスタマイズするというスタイルは今まであるようでなかった手法です。

ただし、それを実現しようとすると、かなりの高額な車になることも事実。最低限の構成でよければ、169万円からですが、最大では300万円になろうかという設定は、車のクラスを考えるとさすがに高い。

あらためて本日の正式発表では、内装を充実させるオプションが増えていたことはこれまでの前評判をふまえてのことかもしれませんが、大筋ではほとんど変更点はありません。

しかし、今日初めてこの車の存在を知った普通の購入者にとっては、大変魅力的な新車が登場したものだと思える内容になっているわけです。ただし、バックオーダーはすでに6万台。年明け早々に注文したとして、早くても5月の連休明けごろの納車ではないかと思います。

来年の新車登録台数のランキングで、ベスト5に食い込んでくることはほぼ確定です。あとは、他社の競合車との戦いがどうなっていくかが楽しみの一つになるのでしょうね。