2012年9月28日金曜日

医者の選び方

これは難しい。医者と患者の関係は、直接人と人との付き合いですから、大多数初対面でぴったりの人と出会う確立は高いものではありません。

世の中はどんどんデジタル化していますが、こればかりはアナログ。デジタルのように全か無かのように割り切ることはできません。

医者である自分が、もしも自分ないし自分の家族が病気のときにかかりたい医者が、かならずしも世間的な名医とは限りません。えーっ、あの医者が名医として紹介されているのかと不思議に思うこともしばしば。

ましてや、患者さんからすると名医で、かつ自分とぴったし合う医者を探し出すというのは、ほとんど砂浜で落としたコンタクトレンズを探すようなものでしょう。

こういうプログをせっせと毎日書いているのも、少しでも自分という医者を第三者にわかってもらうという目的が少しはあります。ただし、匿名ブログと違ってあまり好き勝手に何でも書くというわけにはいきません。

やはり、多少よそ行きの着飾った部分が出でしまうものです。嘘を書くことはありませんが、思ったことをすべて書いているわけではありません。

雑誌やテレビで紹介される医者のほとんどは、宣伝であることは自分も開業医になってからわかってきました。基本的には、こちらで掲載料を払って広告の一環として取材をしてもらうわけです。

もちろんそれも医者を知ってもらうツールの一つですから、意味がないわけではありません。ただ、ランキングのようなものですら、他にいくらでも「名医」が存在していて、そのすべてが紹介されているわけではないということを知って利用することが大事です。

怪我などの場合は、救急性が高く患者さんはゆっくりと医者を選んでいる時間はありません。残念ながら、偶然に合う医者と出会うことを祈るしかありません。

ゆっくりと医者を探す時間がある場合は・・・これも、絶対的な良い方法はないかもしれません。周りの人の口コミくらいが頼りとなることが多いのですが、これもその人にとっては良い医者が自分にも合うとは限らないのです。

こんなことを書いているともあまり希望がないような話になってしまいますが、 とにかく何を基準に選ぶのかはしっかりとさせておきたいものです。医者として技量で選ぶのか、多少技術的には劣った医者でも人間性を重視するのか、あるいは家や職場から近いことで決めていくのか、などなど。

 何故その医者を選んだのかという理由がはっきりさえしていれば、多少の問題は我慢することができるかもしれません。医者も人間ですから、患者さんの期待をすべて叶えることはできないのです。

とは言っても、できるだけいろいろな患者さんに合わせて、医者はできるだけ患者さんから信頼されるように努力しているものだということだけは知っておいてもらいたいものです。