ギターというと、どうしてもフォークソングの伴奏や、ロックでの早弾きなどが頭に浮かびます。自分もそうでしたが、耳コピから入って、きちんとした理論についてはよくわからない。申し訳ないけど、楽譜が読めない演奏者も少なくないと想像します。
ギターが誰でも手軽に手にしやすい楽器であるということが、その大きな理由だと思います。比較的軽くて、価格もけっこう安いものもあります。一番のポイントはフレットという構造で、そこを押さえて弦を弾けば一定の音程が簡単に出せるということでしょぅか。
クラシック音楽と言うと、楽典と言うしっかりとした理論があって、これがなかなか難しくて、ちょっとかじってもまったく歯が立ちません。クラシック音楽の中でのギターは、当然弦楽器として古くからの歴史があり、バロック音楽の時代にはリュートと呼ばれています。
しかし、その後はあまり表舞台に出てくることは少なく、主だった作曲家の中でギターを多く取り上げているのは、パガニーニくらいではないでしょぅか。
自分とって、おそらく大多数の人にとってもクラシックギターが知られるようになったのはスペイン音楽の影響が大きい。そこんとこを地固めした偉人はセゴビアさんであることは間違いありません。
でも、世界中に知れ渡る一番の功績はナルシソ・イエペスに軍配があがるかもしれません。
それはルネ・クレマンの名作映画「禁じられた遊び」で奏でられた、イエペスの演奏。これを耳にしたことがない人は、世界中にいないのではないかと思うくらい有名。そこからアランフェス協奏曲やアルハンブラ宮殿の思い出といった有名曲にたどり着いて行くことになります。
耳障りの少ない中音域を主体としてギターの音色は、誰にでも聴きやすい。ときどき、BGMとしてもゆっくり流しておきたい気持ちになったりします。