最初の1年間は、震災の影響を受けて、生産台数は数万台程度だったものと思われます。その後は、順調に生産を重ね、今では街中で見かける数は、ノーマル・プリウスと大差ないくらいの人気になっています。
7月16日に、トヨタ自動車よりプリウスαのリコールが発表されました。対象となるのは、発売から昨年秋までに生産されたもの・・・
ということは、つまり前期プリウスαのすべてがリコールということです。昨年11月にマイナー・チェンジを行い、後期プリウスαについては、今のところ問題はありません。
1.不具合の状況
ハイブリッドシステムにおいて、制御ソフトが不適切なため、電 力変換器(DC-ACインバータ)の昇圧回路用素子が熱応力で損傷することがあります。そのため、警告灯が点灯しフェールセーフのモータ走行となり、素子 損傷時に電気ノイズが発生した場合には、ハイブリッドシステムが停止し、走行不能となるおそれがあります。 |
2.改善の内容
全車両、制御ソフトを対策仕様に修正します。
とういうことで、パソコン・ソフトで言うと、セキュリティ対策をした手直しを含むソフトウェアのバージョンアップと同じことのようです。
本来、自動車は機械工学の産物だったわけですが、ハイブリッド車は完全に電気工学になっていることが実感できる話です。
ところで、新車の販売台数は公表されているのですが、プリウスについてはノーマルとαが合算されていて、実質的にαがどのくらい売れているのかはわかりませんでした。
全プリウスの販売数は、
2011年 252,528 一位
2012年 317,675 一位
2013年 253,711 アクアに抜かれて二位
2014年 183,614 アクア、フィットに抜かれて三位
全部あわせると、だいたい100万台です。今回のαのリコールの対象車種の含まれる期間が含まれないのは数ヶ月間で、その間の販売台数はだいたい10万台くらい。
リコールされたことで、αの実質的な販売台数がはっきりしました。リコール台数の総計が、だいたい34万台。5人乗りと7人乗りがありますが、その比率は3:1。つまり7人乗りは4台に1台くらい。
そして、ノーマル・プリウスとプリウスαの比率は、3:2くらいということです。ノーマルのほうが多いとは言っても、かなり近づいているという数ではないでしょうか。
プリウスが売れなくなったわけではなく、プリウスのシェアを小型のアクアと大型のαに分配して、全体としては売り上げを伸ばしたという状況がよくわかります。