2015年7月29日水曜日

リウマチ講演会 @ 横浜駅西口

昨夜は関節リウマチ講演会を聞くため、横浜駅西口にあるホテルキャメロットジャパンにでかけました。

このホテルは、宿泊するというと高級とはいかないかもしれませんが、この手の小さい会合には使い勝手がいいようで、駅近ということもあり、開業医向けの講演会ではよく使われます。

さて、今回の講演会の主題は実地診療。もちろん、学術的に基礎医学的な話も大事(超ムズイけど)ですが、実際の臨床の現場に即戦力として役に立つ話もバカにできません。

ただし、そういう話になると、正解というものがなくなって、あくまでも一つの作戦の提案になります。それを採用するかは自分たちの判断であって、確かにそうだと思うこともあれば、いやいやそこは違うんじゃないかと突っ込みたくなることもある。

ただし、いずれにしても人間を相手にしている医学というのは、100%の正解というのはありません。知識だけではダメだし、かといって経験だけでもダメ。こういういろいろな人の意見を広く聞いて、自分の医療を点検し、より良いものに改善していかないといけない。

昨夜の講演では、6月にローマで行われた欧州リウマチ学会のホットな話題を中心に、なかなかデータが揃わないとまとまった話になりにくい部分について演者の意見を聞くことができました。

特に寛解の判断後に治療を中止できるのかという内容は興味深く、実地医療の現場では患者さんから「高い薬剤を止めることはできないのか」というプレッシャーを感じているだけに、早く一定のコンセンサスがまとまって欲しいところ。

ところが、一番最初の生物学的製剤が登場してから10数年、まだまだ新薬の登場の方が話題になり、寛解後をどうするかというデータはほとんど無いというのが現状です。

今回の講演でも、演者の先生は、注射製剤は中止しても何らかの内服薬は継続させているそうで、それでも1年以内に半数以上の患者さんが治療を再開しているようです。

このあたりは、開業医仲間で話をしていても同じような印象で、生物学的製剤が根本的な治療ではなく、究極の対症療法ということだと考えれば当たり前かもしれません。

それぞれの実地医家の経験に基づく印象も、たくさん集まれば知識となりますから、こういう話をうまくまとめる事ができるといいのですが、これがまた難しい。そういう意味でも、開業医といっても「標準」からはずれる医療とならないように注意が必要ということでしょう。