もうじき封切りということで、もちろんまだ見ていないわけですから、中身についてどうのこうの言うことはできません。
なんでここで取り上げるかというと、HEROが俳優・木村拓哉の演じる代表的なキャラクターであり、長年演じ続けているから。
木村拓哉も、2001年に最初にドラマとして久利生公平検事を演じ、2006年にスペシャル、2007年に最初の映画、そして昨年第2シリーズのドラマと続いてきました。
ちよっと前に、寅さんと比較しての論評を読みました。渥美清は、人生の半分は寅さんだったわけで、寅さんを演じることで「年を取れなくなった」ことを大変悩んでいたそうです。
大変魅力的なキャラクターですが、もちろんいつまでも「型破り」なだけでは「寅さん」と同じになってしまう。年を取るにつれて、そして検事として経験を重ねるにつれて、久利生検事のぶれない部分と変わっていく部分をうまく出していけるかが鍵という話でした。
もっとも、制作元のフジテレビのいろいろな思惑・・・業界裏事情的なところもありそうですし、木村拓哉の考えだけでキャラクターを成長させることはできないのかもしれません。
今回も、断片的に伝わっている内容は、今までの雰囲気を踏襲するもの。外交特権という大きな壁に阻まれる久利生検事が、一見小さな交通事故の謎に挑むらしい。
外務省?から「たかが交通事故で外交問題を起こすな」と言われて、むっとするところは今まで通り。ただ、やはりその顔は、はっきりと年を取ったなぁと思わせます。
今回は、最初のシリーズのヒロイン、松たか子も出てくるので、よりHERO色が強まるかもしれません。昨年の北川景子が、やや松のポジションを意識しすぎたのか、カラーがはっきりしませんでした。
視聴率男として名を馳せた木村拓哉ですが、この何年か単なる色男として人気を博すことができなくなっていることは、本人が一番分かっていることでしょう。
このところは、いろいろな役に挑戦しているのはわかるのですが、どうも演じ方が一緒。ちよっと横を見て、視線をはずして客観的な雰囲気を出してセリフをしゃべるのは、木村の特徴だと思いますが、どの役でも出てしまうのは・・・
成長するキャラとしてではなく、また安全なところに戻ってくるだけなら、木村拓哉の俳優としての今後はじり貧になるかもしれません。そういう意味で、今年の第2弾映画は興味深いと思います。