さぁ、関東は梅雨明けしました。暑い夏がやってきて、ビールと枝豆の季節になってきました・・・が、しかし・・・痛風持ちの方には、注意が必要ということ。
プリン体と戦う乳酸菌という宣伝をしているのが、明治が出したヨーグルト。プリン体が高尿酸血症の原因になり、体に蓄積した尿酸が痛風発作を引き起こすことはよく知られています。
生物が生きていくためには、遺伝子が必要。その成分が核酸で、そこから出てくるのがプリン体。食べ物のほぼすべては、有機物からなるわけですから、プリン体を一切摂取しないことは不可能です。
乳酸菌は、いろいろな健康効果があり、さまざまな病気の予防などに役立っているのですが、プリン体と戦うというのはどういうことなんでしょう。
乳酸菌PA-3株は、プリン体をその体内に吸収する力があり、人の体内のプリン体値を下げる効果があるというのです。
最も、薬ではありません。ただ食べたらすぐに血中尿酸値が下がるというわけではなく、食べ続けて腸内でこの乳酸菌を増やさないといけません。
カルピスの宣伝で、「人には人の乳酸菌」と言っているように、乳酸菌は個人個人で合う合わないがあります。誰にでも、同じ効果が出るとは限りません。
この手の物は、当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいなところがあるので、医者としても簡単におすすめはいにくいところがあります。
これについては、自分が所属している(今でも非常勤講師を続けています)東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターより、正式にコメントが出ています。一般のボランティアと通院中の痛風患者さんに協力してもらい調べたところ、
治療中の痛風患者さんの尿酸値はほとんど下げないが、尿酸値が正常より少し高めで、プリン体摂取量が多くない人では、対照群と比較して
有意に血清尿酸値が低くなる」という結果でした。
その上で、「痛風患者さんはやはり薬が必要、それなりに節制している痛風予備軍の人には少しは良いでしょう」というのが結論としています。
つまり、摂るにこしたことはないけど、高尿酸血症に既になっている人は、従来の治療に代わるものではないということに注意が必要です。
とりあえず、今年の夏はPA-3ヨーグルトを食べながら、プリン体フリーのビール様飲料を飲んで盛り上がりましょう!! って、盛り上がれないかもしれませんが・・・