2017年11月18日土曜日

神社にあるもの


神社に行くと、大きくても小さくても、まず最初に目につく必ずあるのが鳥居。この鳥居は、簡単に言えば「門」ですが、俗世間と神様のいる聖域と境界を示す物。木材でできているものと、石材、場合によっては鉄などの金属でできているものもあります。

一番上の横に渡した部分が笠木と呼ばれ、左右に2本の縦の柱で支えます。そして笠木の下にもう一本、横に渡した貫があるのが基本構造。大きく分けると神名鳥居と明神鳥居の二種類。神明系は島木無しで、明神系は島木有りです。島木は笠木の直下につく横材です。

神明系の代表は伊勢の神宮。一見、神社の地図記号のように、実にシンプル。飾り気がありません。でも、実は笠木の断面は五角形をしていて特徴的。鹿島神宮、靖国神社などでも見られます。

明神系はヴァリエーションが豊富。通常は笠木の両端は上に反ってややとんがり気味なのが特徴で、八坂神社、伏見稲荷、日吉神社、厳島神社などなどで見られます。

縦の柱が上にいくほど内側に傾く場合(転び)の有無、中央で島木と貫をつなぐ額束とそこに掛けられた神社名を記す扁額(へんがく)の有無、貫が縦の柱より外側に飛び出る飛び出ないなどいろいろ。柱を支えるように前後に控え柱が付属する場合や、柱の台座となる藁座の有無などの違いがあります。

続いて、鳥居から続く参道の脇に手水舎(ちょうずしゃ)があります。水が貯めてあって、手と口を清める場所。ただ神主さんが常時いない神社では、水が止められていることが多く残念。

さらに参道を進むと、更に深い神域を示す二の鳥居、場所によっては三の鳥居があったりしますが、もう一つたいてい目にするのが獅子に似た狛犬(こまいぬ)です。

狛犬は普通は「阿(あ)」と「吽(うん)」の一対からなりますが、阿だけが二つ並ぶところも少なくありません。魔除けの役割があって、境内を守護するもの。神社によっては、狐、兎、狼などの別の動物の像だったりもします。

神社の建物が社殿ですが、一般的に祭神を礼拝したり、祭礼を執り行う場所が拝殿で、その奥に実際に際神を祀っている本殿があります。また、御神楽を奉納するための神楽殿を持つところもあります。

普通に神社にお参りしている場所は拝殿ですが、本殿と拝殿が別棟に分かれていない本殿のみのところも多い。また、古い神社で自然の山、岩、木々などを神として祀っている場合は、しばしば本殿の建物はありません。

社殿の形は複雑で、いろいろな種類に分類されるので、なかなか素人にはわかりにくい。基本的には、片方の屋根の面の下に入り口がある平入(ひらいり)と両側の屋根の間にいりぐちかがある妻入(つまいり)です。

屋根は本を開いて伏せたような形が一般的で、これを切妻造(きりつまつくり)と呼びます。屋根の端には、木材がそのまま上に飛び出した破風があり、両側から飛び出て交差した形を千木(ちぎ)といい、男神を祀る神社は垂直に切り落とし、女神を祀る神社は水平に切ります。

伊勢神宮は切妻造で平入。出雲大社は大社造りと呼ばれる、切妻造で妻入、さらに高床式になっています。割と多いのが切妻の屋根の入り口側を長めにしたものが流造(ながれづくり)で、切妻造・妻入ですが入り口に出っ張る庇がついたものが春日造と呼ばれます。

メインの神様を祀る本社とは別に、枝社、あるいは摂社・末社と呼ばれる小ささめの神社が同じ境内に付属していることがよくあります。規模はちょっと小さめから祠程度まで様々。たいていは、本社に祀る主祭神に関連がある神様が祀られています。

何を祀っているのかということと合わせて、こうやって境内の様子を見ていくと、それぞれの神社の特徴みたいなものが見えてきます。細かいことを見ていくとかなり複雑ですが、ここにあげたくらいのことをチェックできれば、お参りをしたときの楽しみがずいぶんと増すことはうけあいます。