2025年8月28日木曜日

ラストマン-全盲の捜査官 (2023)


話題になった邦画で、「グランメゾン・パリ」、「キングダム」など、テレビドラマで「TOKYO MERシリーズ」、「ストロベリー・ナイト」などなど、多くの脚本を手掛けているのが黒岩勉です。主にフジテレビ関連の仕事を中心に、ミステリー色のある作品が多く、近年はオリジナル作品も注目されます。

このドラマは、2023年にTBS「日曜劇場」で放送されました。全盲のFBI捜査官と警視庁刑事が異色のバディになるという斬新な設定と、福山雅治と大泉洋というW主演が話題になりました。2025年秋には劇場版の公開を控えています。

相互協定によりFBIの捜査官である皆実広見(福山雅治)が来日しました。もともとは日本人である皆実は、10歳のときに両親を強盗殺人事件で亡くし、自らもその時の怪我が原因で失明してしまいました。大学で心理学に長けていたためFBIにプロファイラーとしてスカウトされ、難事件を最後に解決できる「ラストマン」として活躍していたのです。

皆実の世話役に指名されたのは、警視庁の護道心太朗(大泉洋)で、祖父は元警視庁長官の清二(寺尾聡)、兄は次期警視庁長官確実と言われている京吾(上川隆也)、甥は捜査一課佐久良班の正義感の強い泉(永瀬廉)という名門警察一家の中にいて、警察ノンキャリアの道を選ぶ高い検挙率を誇る変わり者です。心太朗は、実は護道家の養子で、実の父は皆実の両親を殺害した犯人として服役中で、その事件を担当した管理官が護道清二でした。

皆実は最新テクノロジーを駆使して、視力が無くても多くの情報を音声化して驚異的な速さで取り込むのです。佐久良主任(吉田羊)は、当初は事件に勝手に首を突っ込む皆実と心太朗を苦々しく思っていましたが、少しずつ協力するようになります。アメリカでの皆実の活躍に勇気づけられた過去がある吾妻(今田美桜)もIT支援で皆実をサポートします。

物語は41年前の皆実家の事件の謎を主軸として進行していきます。日米の警察が協力するためお互いに人材交流をするというのはあり得る話だとは思いますが、いくら優秀だとは言え全盲の皆実が最初のメンバーというのが、もちろん父親の事件の謎を解き明かしたい皆実の作為があっての人選なのですが、設定的には強引な印象を持ちます。

また、皆実がハイテク機器で常人並み、時にはそれ以上に肉体的な活躍をするのはちょっとやり過ぎのような感じ。その辺りを受け入れられるのであれば、過去の事件と絡み合った人間関係がしだいに解き明かされていく過程はよくできています。

コメディ色の強い大泉洋は頑ななどちらかというと暗いキャラで、むしろ福山が軽めに笑いを取るようなところは新鮮です。また大泉との共演が多い吉田羊とのコンビも楽しいところだと思います。