TEAM NACS深追いシリーズとしては、今回はやや番外編的なもの。
2002年から北海道テレビで放送されたバラエティ番組で「ドラバラ鈴井の巣」というのがあって、ドラマ・パートとバラエティ・パートを合体させたもの。鈴井はTEAM NACSが所属する北海道の芸能プロダクション、CREATIVE OFFICE CUEの社長の鈴井貴之のことで、 総合企画を担当しています。
番組では6~9話くらいで完結するドラマとそれにまつわる面白メイキングなどを放送したのですが、その中で作られたのが大泉洋企画・脚本の「山田家の人々」というホーム・ドラマでした。ところが、これが難産で締め切りを過ぎてもいっこうに大泉から脚本が上がってこない。大泉は主題曲の作詞・作曲も引き受けていて、それも含めて時間がかなり無くなっていた中でのかなり大変な作業になったようです。
大泉の実体験をかなり取り入れた話で、全9話でドラマ部分だけで約2時間という映画並みの尺になっています。「ドラバラ」の基本はTEAM NACSの5人を中心に、不足は同じプロダクションのタレントで補うのが原則でしたが、今回は本気度が違うということで、鈴井の第1回監督映画「man-hole (2001)」に主演した三輪明日美を東京から呼び寄せています。
山田青果店の創業者は今は隠居している山田春三(大泉洋)、ダジャレ好きで短気の二代目は春弘(鈴井貴之)です。長男はミュージシャンになるといって家を飛び出した太郎(森崎博之)、次男は二浪して大学を目指している洋一(安田顕)、そして母亡き後は大黒柱として面倒な家族を支えている長女の千春(小橋亜樹)らが山田家の人々です。
高校の時に東京に転校した明日美(三輪)を好きだった洋一は、東京の大学を目指していましたが賑やかな家族の中でなかなか勉強に集中できません。いつまでも売れない太郎が戻って来て、春三と一緒に面倒を起こしたりもします。そして勉強部屋の雨漏りを治すため、成金の後藤利喜男(音尾琢真)主催のボーリング大会の賞金目当てに家族で出場したりします。
そして突然、千春が細川光(戸次重幸)とできちゃった婚すると言い出し、春弘は爆発してしまいます。しかし、春弘は相撲勝負で何度もあきらめずに向かってくる光を認め、ついに二人の仲を許したのでした・・・というストーリーで、ちなみに洋一はしっかり振られてしまいますが、まぁまぁ面白い話になっています。
それだけなら、わざわざ紹介するまでもないのですが、このストーリーには続編があって合わせると泣きそうになる家族愛のドラマとしてより完成度が高くなるのです。続編は舞台劇として演じられました。
TEAM NACSが所属しているCREATIVE OFFICE CUEでは2002年から所属アーティスト総出演でお祭り騒ぎをする「CUE DREAM JAM-BOREE」というステージを2年ごとに行っていて、北海道のローカル・タレントだけの北海道だけで行われるイベントにもかかわらず、ものすごい人数を動員しています。TEAM NACSの五人が中心となり、それぞれがテレビで演じたキャラクターを再現したり、また披露したオリジナル曲を歌ったりするイベントです。
2006年のステージは大泉洋が総合プロデュースをして、千春と光の結婚式から5年後という設定で「山田家の人々」のその後が演じられました。お祭りステージということで、ふだんの演劇公演ほど練られてはいませんし、アドリブ満載の爆笑ステージで後藤利喜男主催の歌謡コンクールに出場するという設定で、たくさんの歌が披露されるようになっています。
春三が亡くなって新盆を迎えた山田家。洋一は北海道で大学を卒業し、テレビ局に就職ししょーもないバラエティ制作に携わっています。太郎は青果店の三代目として春弘と働いていました。千春と光の間には千光(河野真也)というちょっとでかすぎる(?)こどもがいます。
いろいろと不思議なことが起こったり、千光が誰かと会話したり・・・洋一も春三と楽しく話す夢を見たりするのです。実は春三の魂が帰って来て、いろいろといたずらをしていたのですが、春三は亡くなった時仕事でいなかった洋一に会いたくて戻って来たのでした。春三は千光に洋一宛の手紙を託して消えていきました。
安田顕は演技者として「変態」かつ「天才」と仲間内で評価されているんですが、このお祭りステージですら手を抜くことはなく、しっかり涙を流して泣く所はさすがとしか言いようがない。チャンスがあれば本編だけでなく続編も合わせて見ることで大泉の「天才」も感じ取れることと思います。