2025年8月16日土曜日

レントゲン関連機器の故障


レントゲン写真を撮ったら、昔は写真のネガフィルムと同じで、暗室で現像・定着という作業をして、フィルムが乾燥してからやっと見れるものでした。

一枚一枚この作業をしていると、当然、診察室で医師が見ることができるのは数時間後ですから、当日患者さんに説明することは現実的ではなく、明日以降また来てくださいということになる。

自分が医者になった頃は、自現機 - 自動現像機が普及していて、ケースごとフィルムを入れると一連の作業を3m四方くらいの大きな機械の中で自動で行ってくれるようになっていました。

それでも、患者さんに見せれるようになるのには小一時間は必要ですから、まだ「また来週」という話ができたものです。これは新米の医師にとっては有難いことで、その間に勉強して患者さんの次回の来院時に話す内容を予習できるのです。

21世紀になってデジタル化が進むと、撮影されたフィルムは特殊なものになり、デジタル信号として読み取ることが普通になりました。つまり、撮影してからせいぜい1分間ていどあれば、診察室でレントゲン写真をみることができるようになったのです。

今では読み取りと同時に、画像を転送することもできるシステムもあるので、ほとんどタイムロス無しに診察できたりもします。

レントゲン画像は、個人情報や撮影条件などのさまざまなデータを含めたDICOM(ダイコムと呼んでいます)という特殊な画像形式で保管され、JPEGなどの一般的な画像データのように簡単に扱うことはできません。

簡単に言うと、読み取り機から送られたDICOMデータは、DICOMサーバーに送られ、診察室ではクライアント・ヴューアを起動して画像を表示するということになります。

さて、本題。そのDICOMサーバーが数日前に壊れました。壊れたというのは物理的な破壊ではなく、サーバー・ソフトがちゃんと起動しなくなったということです。

サーバーとしては稼働しているようなのですが、とにかくヴューアがどこからも起動できない。つまり画像を閲覧できないということです。これはシステムとしては致命的で、読み取り機で表示された画像だけを使って、何とか業務をこなしていました。

当然、本体のメンテナンス契約はしているので、メーカーに連絡してきてもらったのですが、簡単には修復できないということで「入院」になってしまいました。

とは言え、「治療」してもらって「退院」できることになったのですが、幸いクリニックは今のところ夏季臨時休診中なのでこの間に戻してもらうことにしました。

それにしてもDICOMサーバーとはいっても、普通のWindowsパソコンの上で動くソフトウェアというだけのもの。ところが医療機器という法律にがんじがらめに縛られたシステムなので、認可された時点から改変は基本的に一切許されていません。

そんなわけで、とっくにMicrosoftのサポートが終了しているWindows7が使われているという・・・もう、デジタル時代にまったくそぐわない旧態然とした制度の中で、情けない話だと思います。

直接人体に触れて何かを行うものではないので、もう少し利便性を考慮した融通の利く扱い方ができないものでしょうかね。しかも医療機器というだけで、数百万円とか目の玉飛び出る価格設定も何とかしてもらいたいものです。