2026年5月25日月曜日

グレン・グールド/ J.S.バッハ インベンションとシンフォニア (1964)


クラシック音楽は、最初に飼ったレコードはCBSソニーレコードの2枚組廉価版シリーズです。ソニーがアメリカのコロンビア・レコードと契約してメディア路線に進出した最初の取り組みで、かなり格安のレコードを販売したのです。

バーンスタインの「ガーシュイン / ラプソディ・イン・ブルー」とか、アントルモンの「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」などを聞いたのですが、最初にそれなりの定価で買ったのは、カール・ベームの「ベートーヴェン/ 交響曲第9番」、そしてルージィッチコヴァの「J.S.バッハ / ハープシコード協奏曲」と続きます。

で、ハープシコードという鍵盤楽器の音がたいそう気に入ったわけです。ピアノと違って、鋼線を叩くのではなくひっかくことで音を出すバロック期の楽器です。音の強弱はつけられませんが、その繊細な音色が耳障りがよかったんでしょうね。

で、ハープシコードと聞きたければバッハしかないと中学生の良い子は思い込んでしまう。レコード屋さんに行く、迷わずバッハの棚を探す、鍵盤のソロのアルバムを見つける、そしてこれだ!! とろくすっぼ内容は確認せずにお金を払って家に持ち帰るのです。

レコード・プレイヤーに乗せて針を落とすと、聞こえてきたのはピアノの音。ハープシコードじゃありません。そうなんです、今ならそんなの当たり前じゃんと言うところなんですが、グレン・グールドは基本的にバッハを現代ピアノで弾いてしまう達人です。

グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」によって、クラシック音楽でも楽譜の解釈の違いから演奏家によってずいぶんと違う音楽として楽しめると開眼したのは、大人になってから、それもほんの20年くらい前の事です。

その時はもグールドがどれだけ凄い人なのかまったく知らないわけで、バッハなのにピアノで演奏するとは何といい加減な音楽だと思ってしまいました。ですから、ある意味、最も精神的・金銭的に衝撃を受けたレコードだったということになります。

もちろん、今はとても楽しく聞くことができる。まぁ、こどもにはわからんだろうな・・・