2021年10月25日月曜日

トランスフォーマー (2007)

自動車とかがガチャコンと変形してロボットになる・・・そんな玩具をタカラトミーが売り出したのは80年代なかばのことで、こどもたち、とくに男の子には大変に魅力的なものだったらしい。これがアメリカでもうけて、いろいろなシリーズが登場しました。それを売るためには、当然のようにアニメ化され、これもだいぶ人気だったらしい。


そこに目を付けたのがスティーブン・スピルバーグ率いるドリーム・ワークス。監督のマイケル・ベイが、この変形ロボットにストーリーの肉付けとCGの衣装で見事に映画化したシリーズの第1作です。

惑星サイバトロンでは、特殊なエネルギーを発する立方体 - オールスパーク - によって生まれたトランスフォーマーと呼ばれる金属生命体が暮らしていました。彼らはスキャンした金属物質に変身する力を持っていました。彼らは、正規軍オートボットと反乱軍ディセプティコンに分かれてオールスパークを巡って戦争状態になっていました。しかし、いつの間にかオールスパークが消失したためサイバトロンはしだいに勢いを失っていきます。

ディセプティコンのリーダーであるメガトロンは、オールスパークが地球の北極にあることがわかり飛来しますが、不調で墜落し凍結してしまいます。1世紀前に、探検家のウィトウィッキーは凍結した「アイスマン」を発見し、その後アメリカ政府の秘密組織セクター7によって、ダムの地下深くにオールスパークとメガトロンは凍結保存されていたのです。

ディセプティコンのメンバーは、オールスパークとメガトロンの捜索のためカタールのアメリカ軍基地を襲い情報のハッキングを試みます。さらに大統領専用機内にも侵入し、ついに「アイスマン」の情報をキャッチするのでした。基地の数少ない生存者であるレノックス(ジョシュ・デュアメル)は、襲撃者の情報を伝えるため何とか国防省とのコンタクトに成功します。

探検家ウィトウィッキーの孫である高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は、自動車購入資金のため祖父の持ち物を競売にかけ、ついに中古の黄色のカマロを手に入れ、美女のミカエラ(ミーガン・フォックス)とも知り合います。まだ売れていない祖父の眼鏡には、実はオールスパークスの位置座票が刻まれていたため、ディセプティコンはこの眼鏡を狙ってサムを襲います。

サムの車は実はオートボットのバンブルビーが変身していたもので、バンブルビーの信号によりリーダーのオプティマス・プライムらが駆け付け、サムとミカエラを救出します。続いてディセプティコンはダムのセクター7基地を襲い、氷解し復活したメガトロンと共にオールスパーク奪取のため大暴れをするのでした!!

もともとおもちゃから始まっているので、こども向けの映画と思っていましたが、実際にはある程度大人の鑑賞に堪えられるだけの盛り方はしてあります。特に観客が感情移入してしまう登場人物は死にませんし、少なくとも人が死ぬ直接的な場面は出てきませんので安心です。

若手俳優の注目株であったシャイア・ラブーフやミーガン・フォックスが主役の高校生。国防長官には「真夜中のカーボーイ」のジョン・ボイドが厚みを加えています。トランスフォーマーたちについては・・・困ったことに、見た目も話す声もどれがどれなのか正直よくわからない。

興行的には成功したようですが、ただ批評家の評価は賛否両論。自分的には実写ロボット物ですから、今時のCGが使われるのはしょうがないと思いますが、使い方が派手すぎて人間の俳優の演技よりも目立ってしまうところが残念。露骨なCGの多用は、アニメとの境界に近づいてしまう感じがします。

物語の導入は軍と国防省と主役の二人のストーリーが順繰りに登場し、半ばでそれらが一つにつながるという構成ですが、断片的な説明が小出しにされる印象で、この世界観を理解するのにはちょっと難しい。それと2時間半近い長さも、こどもには辛いかもしれません。とは言え、あまり難しいことは考えず、ある程度リアル感もあるド派手なロボット・アクションとしての完成度は高いと思います。