スポックの異母兄で、論理よりも感情を選択した異端のバルカン人、サイボックは中立惑星のニムバス3で反乱を起こし管轄する地球人、クリンゴン人、ロミュラン人の代表を人質にします。そこで、新エンタープライズが修理・調整中の間、休暇を取っていたクルーの面々は非常呼集されニムバス3に向かうことになりました。
この新エンタープライズがあまりにポンコツ。転送装置は壊れていて使えない。ブリッジのドアはちゃんと開かない。通信を表示するスクリーンもダメ。得意の航星日誌の記録装置も壊れている。
サイボックの目的は、惑星シャカリーに行くために連邦の宇宙戦艦を奪取することで、神に会い究極の知識を得るのだという。サイボックは心を操る術を持っており、簡単にエンタープライズは乗っ取られてしまうのです。これはある種の洗脳のようなんですが、それぞれの人が持つ根源的に持つ苦痛(トラウマ)を察知し視覚化して再現する能力らしいのですがわかりにくい。
古くからの伝説の地シャカリーは銀河の中心、危険なグレート・バリアを超えた未踏の世界・・・らしいのですが、簡単に到着します。多少の揺れさえ我慢できるなら、とっくに誰かが到着してそうなもんですけど。
出会った「神」は・・・神でもなんでもなく極地に幽閉されていた何かの悪党らしい。カークをやっつけて男を上げようと追ってきたクリンゴン艦が、急にいい人になってカークを助けて、両者は仲良くなりました。おしまい。
という、正直、肝腎ところはごく簡単に済ませてしまった感じで「・・・らしい」の連続。生粋のファンは、もう黙ってはいられませんよね。主役はサイボックみたいな感じで、カークたちはサイボックにうまく利用される役どころ。「神」という大きな存在を出してきた割には、簡単な幕引きです。
カーク、スポック、マッコイの三人の固い友情がテーマ・・・完結編的な意味合いとしてはこっちの方が重要なんですが、だとすると、サイボックとか出さずに自らの意思でエンタープライズがシャカリーを目指せばいいじゃんとなる。この内容には似合わない前作では好評だったジョークも散りばめられ、それをストーリーの中に引きづるのもいただけない。
実際のところ、1989年のゴールデンラズベリー賞の最低作品賞・最低監督賞・最低主演男優賞を受賞という結果に終わっています。まぁ、好き嫌いは個人の勝手なので・・・