オリジナル・クルーによる劇場版第3作は、前作からの続きのストーリー。監督は、スポック役のレナード・ニモイが初めて務めました。特撮は引き続きILMが担当しています。
前作でエンタープライズを救うため、自らの命を犠牲にしたMr.スポック。彼は、その直前にDr.マッコイに自分の精神を埋め込んでいました。エンタープライズは帰還し、カークはそのことに気が付きます。カークは、苦しむマッコイとスポックの精神を救うため惑星ジェネシスに向かうため、仲間たちとエンタープライズを略奪して出航します。
カークの息子であり、ジェネシスの生みの親であるデーヴィッドは、調査艦グリソムで生まれ変わった惑星ジェネシスに到着、ジェネシス効果で細胞再生したこどものスポックを発見します。デーヴィッドはジェネシスの実験が失敗であり、惑星は新生と同時に急激な退化もしていることがわかりました。
一方、ジェネシスの情報を知ったクリンゴン人の冷酷なクルーグ(クリストファー・ロイド)は、ジェネシスを手に入れようと、グリソムを撃破し惑星に降りていたデーヴィッド、バルカン人女性のサーヴィック大尉、こどものスポックを人質にします。到着したエンタープライズは、クルーグから降伏を迫られ、見せしめにデーヴィッドは殺されてしまいます。
カークは降伏要求をのみ、クリンゴン兵が転送されてくるのに合わせてエンタープライズの自爆装置を稼働させ、自分たちは惑星ジェネシスに逃げました。エンタープライズは、巨大な炎となって墜落していくのでした。追いかけて降りて来たクルーグを倒し、クリンゴンの艦を乗り込んだカーク達はバルカン星を目指します。
勝手に巡洋艦を奪って出航できちゃうところは突っ込み所満載なんですが、それはさておき、テレビ・シリーズからおよそ20年間愛されてきたエンタープライズの最後というのが、ファンには衝撃的だったかもしれません。
また論理的行動を優先するスポックらバルカン人と、(軍人としてはどうかと思いますが)情に脆い地球人との対比がテーマの映画です。彼らオリジナル・クルーの結束力が極まった内容で、本当はエンタープライズの死と共に最終話でもよかったのかしれないと思ってしまいます。
おじさん、おばさんばかりの登場人物の中で、前作から登場のサーヴィック大尉は若い紅一点のアクセントですが、前作のカーティス・アレイがギャラでごねたらしく降板し、今回はロビン・カーティスが演じます。バルカン人らしいメイクのせいで、違和感はありません。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドグで人気が出たクリストファー・ロイドの悪役ぶりもなかなかはまっていました。
パラマウント映画は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のヒットにより、このシリーズでもコメディ・タッチのものを用意しており、シリーズはまだまだ続くことになります。