これまでのトリロジーで、一定の決着がついたはずの「トランスフォーマー」でしたが、新たな設定の下に4作目が登場しました。製作総指揮スピルバーグ、監督はマイケル・ベイで同じですが、今までのレギュラー・キャストは一掃されています。
それにしても、回を重ねるごとに長くなっているシリーズですが、今作は2時間45分。正直疲れる。長けりゃいいってもんじゃない。それと、散々オートボットに助けられて目が覚めたはずの人間が、またまたオートボットを邪魔者扱いしているって、どこまで人間は間抜けなのと言いたくなります。
そして、中国資本のハリウッド進出は強烈で、もはやアメリカは中国抜きでは創造的な仕事はできないのかと思うほど。トランプみたいなのが大統領になるのもわかるような気がします。中国人キャストがたくさん登場し、メインの舞台も中国(香港)だったりして、もうあの栄光のハリウッドの見る影もありません。もっとも、それだけ中国市場が美味しいということも間違いない。
テキサスの田舎のしがない発明家、イェーガー(マーク・ウォールバーグ)が引き取った古ぼけたトレーラーは、実はオプティマス・プライムでした。CIAのアティンジャー(ケルシー・グラマー)らが、ディセプティコン狩りと称して、「墓場の風」を組織して実はオートボットも捕えていました。オプティマス・プライムは、彼らの攻撃をかろうじてかわして逃げたのですが、動けなくなっていたのです。
トランスフォーマーたちのとっての「創造主」は、オートボットもにもディセプティコンにも属さないロックダウンに命じて、地球に残留するトランスフォーマーを拘束・排除することにしていたのです。ロックダウンは、アティンジャーを協力者にし、アティンジャーはロボット産業のKSI社の社長ジョシュアに捕えたトランスフォーマーの部品を与えることで、独自のトランスフォーマーを開発させていました。
イェーガーはオプティマス・プライムを動けるように修理しますが、墓場の風に襲われ娘のテッサ(ニコラ・ペルツ)と恋人のシェーン(ジャック・レイナー)と逃亡することになります。隠れていた仲間のオートボットが合流し、自分たちを追い詰める黒幕を探し始めます。
ジョシュアらが作り上げたトランスフォーマーであるガルバトロンは、メガトロンの頭脳から抽出したデータをもとにしており、実質的にメガトロンが復活したのと同じで、KSI社のコントロールを無視して再び地球制覇を目論もうとします。
オプティマス・プライムを捕えたロックダウンは地球を離れようとしますが、イェーガーらの活躍でオプティマス・プライムは脱出に成功し、ついにオートボット、ガルバトロン、ロックダウンの三つ巴の決戦が開始されました!!
アニメ・シリーズに登場した恐竜からの変形を特徴とするダイナボットが「伝説の騎士」として登場するのですが、このあたりがよくわからない。どうも白亜紀の恐竜絶滅は創造主の仕業らしく、恐竜は金属に変えられてしたまったようです。
本当に長い割には、謎だらけの「創造主」であり、物語の根幹にあたるところが不明のまま進行するので困ったものです。もっとも、そこらを気にするなと言わんばかりにアクションてんこ盛り。ただし、ほとんどがCGですから、リアルなアニメという方が正しいのかもしれません。最後はオプティマス・プライムが創造主のもとに向かって終わるので、当然その結末を描く続編がある仕様です。