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2021年10月19日火曜日

渡辺美里 / Lovin' You (1986)

医師国家試験に合格したのが1986年のことで、その前後から研修医をしていた1990年くらいまでは、本当に世間の出来事はまったく知らない生活をしていたと言っても過言ではありません。


例えば1983年デヴューの尾崎豊。1992年に世間的には衝撃的な死を迎えるわけですが、嘘偽りなく死亡のニュースを聞いた時、「誰、それ?」と思った。ほとんどを大学病院の中で過ごしていたので、とても人気がある歌手だなんて知りませんでした。

ただし、唯一例外的にこの時代に聴いていた音楽が・・・渡辺美里。

当時、レコードからCDに移行していた時期で、とにかくどれかに手を付けようと思って買ったのがこの1986年のアルバムでした。理由は、10代の女の子のポップ・シンガーであり、ライブでもないスタジオ収録なのに2枚組というボリュームにびっくりしたから。

レコード時代の名残りで、アルバムと言うと12曲40分というのがスタンダードな仕様。それを一気に2枚分をドドドーンと出しちゃうというのは、相当レコード会社も力を入れていわけだし、それだけの実力があると思われているということ。

TMネットワークで人気に火が付いた、まだいろいろと問題が無かったころの小室哲哉、CBS/SONYの人気シンガーだった岡村靖幸などが全面的にバックアップしていて、歌詞については多くは自作というからすごいことです。

1曲目の「ロング・ナイト」から、ビートの効いたバックに乗せて渡辺美里印の元気シャウトが爆発している。アイドルを売り出すのとはまったく違う、音楽で勝負する気概が溢れているの魅了されました。

代表曲となった「My Revolution」も含め全20曲。疾走感のあるロック、落ち着いたバラード、パンクな雰囲気すら含まれ、どれをとっても揺れ動くティーンエイジの叫びは、35年の時が経っても新鮮です。

あの頃、渡辺美里のファンになった人は、皆、彼女の詩からたくさんの元気をもらったことは間違いない。あらためて自分もその一人であることを再確認しました。