2021年11月22日月曜日

亜人 (2017)

桜井画門によるコミックが原作・・・って、もう邦画ではマンガばっかり使われるというのが寂しい限りですが、それは本題では無いので横に置いておいて、監督は「踊る大走査線」シリーズの本広克行。画面の使い方が「踊る・・・」を彷彿とさせるところがあって、ちょっと笑っちゃいます。何度死んでも生き返るゾンビが主役のSFアクション映画というところでしょうか。


研修医の永井圭(佐藤健)は、自動車事故で死んだはずが生き返ったことで、亜人と呼ばれる特殊な能力があることが判明し、亜人研究所に保護されます・・・というのは表向きで、ここでは密かに亜人を使った人体実験が長年に渡って指揮を執る戸崎(玉山鉄二)のもと行われてきました。

すでに亜人であることが判明していて、研究所から脱出した佐藤(綾野剛)と田中(城田優)は、非人道的な扱いから復讐のため永井を奪還するため研究所を襲撃しますが、佐藤のあまりに簡単に人を殺す振る舞いに永井は仲間になることを拒否して雲隠れします。

彼らは死にそうになったり、不利な状況になると自ら死ぬことで、瞬時に再び元の体として蘇生できるのです。また、体から亜人粒子を放出し、実体化させた「幽霊」を思うがままに操るのでした。

佐藤は研究所が亜人に対して行ってきたことを暴露し、その本山である厚生労働省ビルを破壊、警察の精鋭部隊SATも壊滅します。佐藤は、東京に毒ガスを巻いて都民全てを葬り去ろうとしていました。永井は戸崎に面会に、身分を保証する見返りに協力を申し出ます。毒ガスを密かに製造・保管していたフォージ重工業に侵入した佐藤、田中らと永井との間で壮絶な戦いが開始されるのです。

何度でも生き返ると言っても、腐乱死体みたいな外見では無いので安心。亜人を捕獲するには自死する前に麻酔銃で眠らせるか、蘇生する前に殺し続けるしかありません。どっちにしても決着がつきそうもないなと思って見ていたんですが、最後はその手があったかと言う感じでした。

佐藤健は「るろうに剣心」シリーズでアクションは鍛えたせいか、なかなか動きはよくスビート感のあるアクションは見ごたえがあります。綾野剛の冷酷で無慈悲な悪役も様になっている。戸崎の部下で、実は自身も亜人である泉を演じるのは川栄李奈で、こちらもまぁまぁのアクション・シーンをこなしていました。

邦画でもCGを利用した派手なシーンとワイヤー・アクションを使ったフィジカルな格闘は、ハリウッド並みとまではいきませんが、まぁまぁ合格点。ただし監督の遊びの要素が雰囲気を壊した感があります。YouTuberヒカキンが出てきたり、「踊る」のSATの隊長(高杉亘)がここでもSAT隊長で登場したりは遊びすぎ。

ラストは明らかに続編を意識したエンディングですが、「るろう」シリーズが終結した佐藤健の次の活躍の舞台となるのかどうか? とりあえず何度ても生き返る「ジョン・ウィック」という雰囲気は評価できるところです。