2022年5月30日月曜日

いかすみスパゲッティ


まだまだあったイタリアの本家定番パスタは、皆が知っているイカの墨です。そもそもイカ墨って・・・イカが敵から逃げる際に放出する粘調な真っ黒な色素。その成分は、アミノ酸を含むメラニンです。人も髪の毛の黒とか、ホクロの黒とかはメラニンです。ただし、イカ墨には糖分も多く、カロリーもけっこうあるらしい。

イカスミは、地中海料理では普通の食材の一つで、スペインのパエリアにも使いますし、特にヴェネツィアでは定番中の定番とのこと。いかすみスパゲッティはイタリア語で Spagetti Nero di Sepia ですが、Neroは黒色という意味で、Sepiaは墨袋の大きいコウイカの学名で、この墨を絵具に使った時の色がセピアです。

さて、日高シェフの指導に従って作っていきましょう。今回使用したイカは、安くて庶民の味方、ヤリイカです。ヤリイカは墨袋が小さくて、生の物から取った墨では物足りない。そこで、市販のイカスミ・ペーストを使いました。

スパゲッティは1%の塩で茹で始めます。フライパンは、いつものオリーブ・オイルにニンニクみじん切りからスタートです。ゆっくり加熱してニンニクの香りを立たせたら、スライスしたタマネギを入れて炒めます。

ヤリイカは食べやすいサイズに切って入れ、ざっと火が通ったらイカ墨ペーストを入れます。白ワインを50ml加えて、イカ墨を全体に回し、アルコールを飛ばすように数分間煮詰めます。ここで、味見して少しだけ塩をいれておきます。

ほぼ茹で時間通りか、ちょっと早目くらいでパスタを取り出し、フライパンに入れてソースを馴染ませたらOK。皿に盛って、イタリアンパセリをアクセントに振れば完成です。

食べた後に口の中が真っ黒になっちゃうことを気にしなければ、ニンニクとワインで臭みを取って、イカ墨のアミノ酸が旨味になって、大変美味しい仕上がりです。作るときもイカ墨が飛び散らないように注意は必要ですし、道具はさっさと洗って片付けましょう。