今月はお盆休みを取るところが多く、医師会も小休止。毎週の会議も先週と今週は休みでした。そんなわけで、あまり話題はありません。
今月やったことは、近くの大学病院との連携協議。自分は防災担当なので、南関東の大地震が起きたときの実効力のある救急医療活動をいかに地域に提供するかが課題です。
ちょこちょこ地震が起きるたびに、びくびくしてしまいます。というのも、横浜市と横浜市医師会は阪神大震災の直後にあわてて協定を結び、医療教護拠点での活動を約束していますが、実際問題として医師や看護師が集まってくるのかはなはだ心許ない実情があるのです。
その理由はDr.Mのように自宅で診療所を開設している医師は少なく、自分のようにビル診療をしている医師が多いため、地震が起こってもすぐに活動に入れるわけではありません。
医師には専門がある程度あるわけですから、救急医療に慣れている者もいれば、そうでない者もいます。
自分は開業してからも、大学などでの手術を続けていたり、幸か不幸か当直のバイトを続けている関係で、それなりに知識と経験を維持しているつもりですが、そんなのは特殊な方ではないかと思います。
また医療救護拠点のハードウェアについても、十分に整備されているとはいえません。そこで、基幹病院との連携協議や、区役所との協議が定期的に行われて、実質的な意見交換をしているわけです。
一般の方は、救急医療と災害医療とが違うということを意外とご存じないと思います。災害医療は、怪我人すべてを助けるものではありません。簡単に言えば、助からない人を選別して助かる人だけを治療するのが災害医療です。
一度に多くの怪我人が発生した場合、すべての怪我人を順番に治療していっては膨大な時間がかかり、助かる人も助からないという事態になります。
ですから、大きな病院はいかに軽傷者を入れないようにできるかが最大の課題になるのです。これは、表面的には冷たい感じがするかもしれませんが、きわめて合理的な考え方だと言わざるを得ません。
そこで、大事なのが医師会の仕事です。自分たちは、大きな病院に転送すべき怪我人を迅速に選別することと、大きな病院での治療の対象からはずれた怪我人への対応をする必要が出てくるのです。
幸い、都筑区・青葉区付近は地盤が安定しており、街も新しいため比較的被害は大きくならないとの予想があります。阪神大震災並の震災が来ても火事さえ起こらなければ、死者は100人未満との予想です。
しかし東側の地域、特に東京湾沿いの地域はかなりの被害が予想されていますので、これらの地域からの怪我人などへの対処も考えておかなければいけません。地震は明日起こるかもしれません。