2008年10月11日土曜日

整形外科開業医

整形外科開業医ってどんなのよ。

全国平均的には毎日100人くらいの受診者がいて、大体の年齢は60歳代。腰と膝の痛みで大多数を占めてしまいます。半分くらいは物理療法という、温めたり牽引したり、あるいは電気をかけたりする治療。これは毎日のように通ってもらうことになる。こんな感じでなんとか経営的には成り立っているわけです。

さてさて、横浜市都筑区はどうかというと、なんと言っても人口の平均年齢は40歳以下。これは全国的には驚異的なことです。実際、うちのクリニックでも患者さんの平均年齢は40歳代です。

こういう若い世代では、慢性的な痛みで定期的かつ長期的な通院は必要がないことがおおいのです。うちの場合は、開業して3年弱ですが、やっと一日の平均患者数が50人を過ぎて60人になろうかというところ。

特に、どかーんと増えることも無く、じわじわと口コミが広がってくれたことが、もっとも大きな増患の要因だと思っています。たぶん、おなじ地域の整形外科クリニックに比べれば、だいぶ少ないと思います。

スーパーで健康相談を実施したり、違法すれすれでチラシをばらまいたりもしたました。しかし実際に、はっきりとした効果は感じられませんでした。開業して2年たって、じたばたしても駄目だっと居直りました。じっくりと口コミが広がるのを待つしかないと思ったわけです。

良い口コミが広がるためには、なるべく早く患者さんの悩みを解決するしかありません。ずるずると物理療法で引っ張ってもだめです。「あそこへ行けばすぐ直してくれる」という評判が広がることが大切。

ただし、患者さんによって対応をよく考えないといけません。原因をしっかりと説明してもらいたい方もいれば、とりあえず痛みを減らしてもらいたい方、明日の試合に何とか出たいと思っている人もいれば、リウマチではないかと心配している方もいます。

できる限り患者さんの要望に沿うように治療をしなければならないのですが、医者としてこれだけは譲れないということもあります。患者さんの希望だけで治療していくと、たいていは不十分になってしまうのです。

結局、そのギャップを埋めるのが、患者さんとの会話。どんなに無駄な話でも、不必要なことはひとつもありません。ですから、経営的に成り立つものなら、診察時間は長いほどよい。いわゆる「3分診療」が嫌だと思っているのは医者も同じ。