う~ん、またしてもジャズの名盤。ジャズを聴いていく上で避けては通れない一枚なのです。
チック・コリアは60年代に登場し、初めはビル・エバンスの影響をもろに受けていながら、生来のラテン風味を生かしたサウンドを聞かせてくれました。
その後、ハービー・ハンコックの後を継いでマイルス・デイビスのグループに参加。火の出るようなエレクトリック・ピアノを弾いて。マイルスの電化に一役買いました。マイルスを離脱後は、さらにフリーなアプローチに突進していくのですが、1972年のこのアルバムで180度方向転換。
後年クロスオーバーとかフュージョンの原点というような解説を目にすることがありますが、ちょっと違います。あえていうなら原点は1968年のマイルスのBitches Brew。
まぁ、それはいいとして、ここにはラテンフレーバーの大変耳障りの良い音楽が一杯。後にも先にも、チックだけのサウンドなのです。
フローラ・ピュリムの楽器的なハイトーンのボーカル、盟友ジョー・ファレルのフルートとサックス、ラテンリズムの溢れるアイアートのドラム、そしてバカテクのスタンリー・クラークのベース。
すべてがこれ以上は無いくらいに見事なアンサンブルを聞かせてくれます。発売当初LPレコードのB面すべてを使ったSometime ago~La Fiestaのメドレーは鳥肌が立つような緊張感が続き、何度聞いても素晴らしい。
この後70年代のチックはReturn to Foreverをグループ名にして、どんどんロック色を強めていくわけです。