年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します

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2008年10月21日火曜日

難しい医学用語

国立国語研究所というのがあるんですね。医師が患者さんへの説明などで使用している言葉のうち、患者さんに意味が伝わりにくい57語について、別の言葉への言い換えや補足説明などを促す報告をまとめたそうです

確かに、医学用語のすべてが一般用語ではありませんから、医者が説明するときに思わず使ってしまい、言いたいことが伝わらないということはいくらでもあります。

特に省略語はわかりにくく、医者の間でもよくわからないことが多々あります。DMといえば、普通は糖尿病のことですが、皮膚筋炎という病気の場合もあります。街頭ではダイレクトメールになりますし、意味はいろいろです。

指の関節だって、一般の方は第1関節とか第2関節といいますが、端から数えている場合もあれば、付け根から数えている場合もある。

「すじ」という言葉もすじが痛いなどと使われていますが、筋肉の場合もあれば靭帯の場合もある。筋肉は関節を動かすものだし、靭帯は関節を動かさないようにするものです。

言葉の混乱は、あまりに多いので、それを何とかするというのは至難の業かもしれません。

たとえばセカンド・オピニオンという言葉については、主治医以外の医師に意見を聞くこととしていますが、実際には保険診療の枠の中ではちょっと違います。

主治医から資料をきちんと貰ってきて(資料の作成に保険で値段がついています)、自費で別の医者にかかるものです。

時間がかかって多くを説明しなければならない二番目の医者には、保険の値段はついていないのです。これは随分と不公平なために、自費で値段を決めていいことになっています。

実際は、ほとんどの患者さんは、主治医が信頼できないためにセカンド・オピニオンを求めるケースが多く、この場合資料を持ってくることはありません。このような複雑な事情を含んでいたりするので、一概に簡単な言葉に置き換えることは、更なる誤解を招くこともあるのではないでしょうか。

わかりやすい説明をすることは大変重要ですし、自分も日頃から実践しているつもりなのです。しかし、ただわかりやすい言葉に置き換えるのではなく、中にはそのまま使って、むしろその意味を一般の方に衆知していくほうが良いものも随分とあるように思います。