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2012年11月7日水曜日

あなでじ

SONYミュージックが、自社で権利を保有する楽曲をiTunesストアに提供するというニュースは、すでに最新の音楽を追っかけなくなった自分には、それほど大きな話ではありません。

しかし、若者の間では音楽をダウンロードするという分化が定着してきており、人気アーティストをたくさん抱えるSONYミュージックが、最強のダウンロード市場を持つアップルと提携することは大歓迎のようです。

SONYは元祖持ち運ぶ音楽プレイヤーのWalkmanがあるだけに、独自の牙城を守り続けていましたが、さすがにアップルのiPhoneやiPodのシェアの大きさには対抗できないと判断したんでしょう。

パソコンのOSについては、MicrosoftのWindowsにまったく歯が立たないアップルですが、モバイルデバイスの領域ではほぼ完全勝利という状態です。このあたりが故ジョブスの先見の明ということでしょうか。

それにしても、レコードで育ちCDで未来を見た自分たちの世代では、物理的に存在する物に対する所有欲というのが根強く存在します。音楽という目に見えないものを、形として手に入れるということは、単に曲を楽しむ以上の満足感を与えてくれるものです。

ですから、コレクションしたCDケースを演奏家ごとに並べたり、ジャンルによって並べたりすることは、別の意味で楽しいわけです。ずらっと並んだ、ベートーヴェンやシューベルトのピアノソナタ全集の数を数えてニヤニヤすることも悪くない。

音楽などのメディアが、パソコンの普及とともにデジタルデータ化されることは必然といえます。ダウンロード販売では、当然パッケージを用意する手間、販売するための場所や人件費など膨大なコストカットが可能となります。

もちろん、自分もせっせと買ったCDを取り込み、車の中や当直バイト先などでカーナビやパソコンで楽しむというのが主なスタイルになってずいぶんとたちました。基本的に、携帯プレイヤーを使うような時間はほとんどありません。

ですから、当分半アナログ・半デジタル生活みたいな状況は続くことでしょう。いくらパソコン好きでも、昭和の人間としてはそのへんが限界かもしれませんね。