2013年2月2日土曜日

荒野の七人 (1960)

アクション西部劇が得意なジョン・スタージェスが監督した、超有名なアメリカ映画。興行的にも大ヒットしたわけですが、日本人的には黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクであることから注目度が高かった。

黒澤作品のストーリーのエッセンスをうまく取り込みつつ、西部劇としてしっかりと成立させたところはなかなかのもの。本家の登場人物をうまくミックスしたキャラクターを生み出し、さらにオリジナルのガンマンも配することで、アメリカ人にも理解しやすくなっています。

なにしろ、外国人にとって最も理解しにくいのは、命を賭けて村を助ける根拠。黒澤版は武士としての誇りが、彼らを動かすわけで、こればかりは今の日本人ですらなかなか理解できないでしょう。

こちらの映画では、そこはしっかりと変えてあって、目的は金。こんな合理的なことはない。それでも、金だけで命を投げ出すことはできないわけで、それなりの正義というものが残っているところが見ている者の共感を呼ぶところ。

当時は、まだまだ無名に近い俳優が集められたのですが、ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールス・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーンというそうそうたる面子が揃っていて、かなり見応えがあります。

エルマー・バンスタインの作ったテーマ曲も有名になって、この曲が響くと思わず身を乗り出したくなるのは典型的な昭和人でしょうか。