横浜市北部・川崎地区で関節リウマチを専門的に診療をしている先生を集めて、お互いの知識のレベルアップや連携を強化することを目的とした会です。
世話人の一人として、この会を立ち上げてきて、今回でやっと7回目。まだまだ会としての成熟度は物足りませんが、確実に定着しつつある実感はあります。
今回は、顧問をお願いしている聖マリアンナ医科大学の山田教授の講演。山田先生には、一回ごとに講演をお願いしていて、いつも無理なテーマをリクエストばかりしていて本当に申し訳ないところです。
今回は「早期リウマチの鑑別診断」というテーマ。一見、簡単そうで、実はこういうのがおくが深いものです。内科的・整形外科的な総合的な話になるので、内容はかなり盛りだくさん。まとめるのに、さぞかし大変だったろうと思います。
しかし、いつもながら、臨床の中で疑問に感じつつも、何となく見過ごしていたポイントをいくつも指摘していただき、大変有意義な話をお聞かせいただきました。
関節リウマチでは、関節の痛みというのが最初の患者さんの訴えであることが多い。痛みのある関節が腫れていれば診断もしやすいのですが、痛いけど腫れていない、または痛くないのに腫れているという状況では、いろいろな病気の鑑別を考えないといけません。
最近は、関節リウマチの検査で抗CCP抗体という項目があるのですが、これが出たらリウマチと決めてしまう非専門の先生が多い。実際は、そんな簡単なものじゃありません。だからと言って、 抗CCP抗体が陽性でもリウマチといえない患者さん、あるいは陰性ですがリウマチの疑いを捨てきれない患者さんは大勢存在します。
早期の診断の必要性が増している現在では、早期であればあるほどこういう判断に困る患者さんに遭遇する事が多いのが、現場の専門医の悩みです。今日の講演では、このような早期の診断に難渋するケースに対する考え方を勉強することができました。
わかったつもりでいても、まだまだあらためて知る事というのは次から次へと出てくるものです。医者は一生勉強とはいいますが、なんとも疲れる仕事です。