2013年2月28日木曜日

スター・ウォーズ (1977)

世の中のデジタル化の恩恵を、最も多く受けている映画はSF物でしょう。何しろコンピュータが描くものは、実際に見れないものでも可能で、その表現可能な世界は無限に広がっている。

ところが、家庭でパソコンが使われだすのは80年代以降ですし、70年代は一部の研究所レベルにものすごく巨大な・・・一部屋を埋め尽くすような機械を設置して、現代のスマホ以下の仕事しかできなかった。

そんな時代ですから、SF映画を作るときの基本的な技術はアナログという頃に作られたのが、全世界的なヒットとなった「スター・ウォーズ」で、その革新的な映像表現にはみんなが度肝を抜かれたわけです。

宇宙船などは、基本的に精巧なミニチュアで作られ、それをなめるように撮影するモーション・コントロール・カメラを開発したことで、本当に巨大な宇宙船があたかも飛んでいるように見えたのです。

今のCG技術からすれば、あらが目立つ合成技術ですが、それでも公開当時としては驚異的な映像の数々により、まるで「どこか銀河の遠く」の世界が目の前に展開する様は本当にびっくりしたものです。

これらの特撮技術で一躍有名になったのが、ジョン・ダイクストラやリチャード・エドランドで、その後の現在に続く映画のほとんどに影響したのです。

もう一つの凄い技術が、メーキャップでした。特に大量の個性的な宇宙生物などへの変装などで威力を発揮、リック・ベーカーは驚異的なメーキャップ技術で後の映画に引っ張りだことなります。

これらの特撮技術はSFXという言葉でまとめられ、映画、特にSF映画ではある意味俳優以上にスターとなったわけですが、その後SFXを見せるためだけの作品も少なくないのは残念なところ。

スター・ウォーズそのものは、今更こんなところで書くまでも無いくらい、語られていますし、おそらくマニアにはまだまだ語りつくせない魅力が詰まっています。

ただ、少なくとも明らかに続きがあり、それを見るために数年間我慢するという映画は過去に無かったのではないでしょぅか。このあたりはプロデューサとしての、ジョージ・ルーカスの見事な見識なのでしょう。

アカデミー賞の主だった賞は取れませんでしたが、少なくとも映画でしかできない映像世界を見せてくれた、映画界が忘れてはいけない名作中の名作という評価はするべきだと思います。

ルーカスは全9話の用意があることは、当時から明言していましたが、最初の6話までで制作は中断していました。しかし、最近、最後の3作の計画を発表しています。それなりに楽しみな話ですね。