日本の社会的な問題で、最近特に議論されているのが体罰について。高校生が体罰を理由に自殺したとされたのがきっかけで、オリンピック女子柔道の選手たちが監督の体罰を告発して注目されています。
女子柔道選手たちの問題は、なかなか組織内で訴えても改善がないということでしょうか。ついにオリンピック委員会に駆け込み、さらにメディアを通じて公のものとなりました。
その結果、監督や柔道連盟役員を辞任に追い込み、社会的な制裁を加える事になりました。しかし、代理人の弁護士を通じて、柔道界の体質改善を求める趣旨の会見を行い。形の上では、追及の手を緩めていません。
これに対して、各界のいわゆる知識人からは問題を提起した15名の女子柔道選手の氏名の公表に対して様々な意見が出始めています。
もともと選手たちが、どの程度の変化を期待していたのか、監督や役員の辞任という現在の結果についてどう考えているのか。 そのあたりがまったく見えてこない以上、現状では選手たちは表にでるべきという意見に自分は賛成します。
おそらくほとんどの選手たちはもうこどもではありませんから、柔道界全体の改革につながる運動までエスカレートさせるのであれば、相応の社会的責任を分担する義務があると考えます。このことは、すでに国際的な問題にまで発展しつつあり、場合によってはスポーツ全体のあり方にまで波及するかもしれません。
選手たちが今後も、今回の問題の影響なくスポーツをするための担保が保証されていないという理由で氏名公表を否定的に考える意見もありますが、自分としては公表されたからといって、その選手たちを否定的にみるつもりはありません。
むしろ、今回のことを起こした勇気を評価してさらにがんばってもらいたいと応援したい気持ちがあります。むしろ、このまま陰に隠れたまま・・・つまり匿名での状態のままでは、一方的でフェアではない。監督の「体罰」が、暴力だったのか通常の指導の範囲だったのかすら疑念が生じかねません。
内部告発全般に言える問題なのでしょうが、突き詰めていくとどんどん難しくなっていきます。告発することは相当の勇気がいることでしょぅし、告発した事で不利益を被る可能性があることは否定できません。
今回の女子柔道問題で、周りがどのように選手たちに対応するのか、そして柔道界内部がどのように受け止め行動するのかが、今後スポーツにとどまらず様々な社会における告発に対しての見本となるような結果に収束することを期待したいと思います。