2013年3月1日金曜日

The Concert for Bangladesh

弥生三月、春爛漫、一番が吹いて季節が変わろうとしているのが感じられます。

自分が学校で歴史・地理などを学んでいた頃と、今ではずいぶんと世界の国の名前が変わっています。その一つが、バングラデシュ。

大きなインドを真ん中に挟むように、現在のパキスタンがその西側にあり西パキスタン。そして、インドの東側にイスラム教の東パキスタンが存在したいました。インドが東パキスタンに加勢して、独立戦争が起こり、バングラデシュとして独立したのが1971年。

その過程で、先住民族と間に内乱も起こり、国内は混乱をきわめ、食糧難などから多くの国民が貧困に苦しみ、大量の餓死者が発生したのです。

ビートルズが事実上解散し、シタール奏者のラヴィ・シャンカール(い先頃亡くなりました)と親交の深かったジョージ・ハリソンは、このバングラデシュの悲惨な状況を知り、支援のためのコンサートを企画。賛同した多くのビッグネームが参加して、ものすごいコンサートが実現したのです。

その記録は厚さ1センチくらいの箱型の2枚組みレコードのセットとして発売され、当時自分も購入して、何度も聴いて楽しみました。茶色中心の箱の中央にやせ細った幼児の写真が使われ、大きなインパクトがありました。

登場するアーティストは、ジョージ・ハリソン、ビリー・プレストン、リンゴ・スター、レオン・ラッセル、ボブ・ディラン、ラヴィ・シャンカールなどなど。そして、全編にわたってメインのギターを弾くのがエリック・クラプトン。

特に''My Guitar Gentry Weeps''における、ジョージ・ハリソンとクラプトンの泣きのギターの共演は、これ以上無いくらいの名演です。また、すでに伝説になりつつあったボブ・ディランは名曲をたくさん披露し、もうここの演奏だけでも究極セレクトなんです。

当時、このコンサートの模様は撮影され映画としても公開されました。これが今ではDVDとしても手に入るので、映像で見ると感動がさらに盛り上がってきますね。

バングラデシュの悲惨な状況については、ジョーン・バエズも歌っていて、当時のアーティストの多くが関心を寄せていたのだと思います。自分は、それほど深く考えたりはしませんでしたが、後に政治的支援コンサートがいろいろ出てくる最初のものかもしれません。