今日はリウマチの勉強会で、新横浜。自分が関節リウマチに力を入れている関係で、この手の勉強会の案内はリウマチ関連ばかりで、いかに共催の製薬会社がリウマチ薬に力を入れているかわかります。
整形外科全体で考えると、他に講演会のテーマはほぼ骨粗しょう症のみと言っても過言ではありません。もともと、整形外科は薬をあまり使う科ではないので、スポンサーになる製薬会社も協力する部分が限られるのでしょう。
医者のための講演会は、学会などで集中的に行われるものがありますが、開業医はなかなか参加する時間が取りにくい。クリニックを休診して学会に参加するというのは、おいそれとはできません。
そこで、日々診療終了後の時間に小さな講演会がいろいろ行われています。この手の勉強会は、医者が主体になって自分たちが知りたいことを中心に企画し、製薬会社に協力してもらうものと、製薬会社が売りたい薬の広告的な目的で行うものにわかれるようです。
前者の例としては、自分を含めて近隣のリウマチ専門の先生方と一緒にやっているのが「田園都市リウマチフォーラム」です。リウマチ薬を出している製薬会社が共催として手伝ってくれるのですが、勉強したい内容と講師を考えるのは自分たち世話人。
一方、製薬会社主体の会では、その薬そのものについての病気や薬の効果などについての話に限定され、より全国的に有名な先生が講師になる事が多い。高名な先生の話を直接聞く機会は多くはないので、それなりに意義があるものです。
ただ、テーマが偏ってしまうので、案内されるものすべてに出席しようとは思えません。自分の日程に無理がなく、少しでも聞きたいような内容ならば行ってみようというところ。実際は行きたくなる事は多くはなく、「この薬はこれだけ効きます」的な話はちょっとうんざりというのが本音。
医者が主体の会では、最近やたらと増えてきたのが病診連携を目的とするもの。開業医と病院の医師の顔つなぎのために行われるわけで、開業医は自分の施設では扱いにくい重病や合併症がある患者さんを病院に紹介しやすくします。
一方、病院側は紹介率を増やし、軽症患者さんを減って勤務医の外来負担の軽減と病院機能の効率化が目的です。そのために、連携パスというものを作ってどういう形で患者さんをやり取りするかのルールを作ったり、開業医と病院の間で一定の治療法を検証していくような企画が多くなってきました。
その理由は、この何年か勤務医の負担が多いと言われるようになって、厚労省が決めている医療の定価(診療報酬)が何度か変更され、少しずつ診療所と病院の役割分担をはっきりさせる方向に誘導しているからです。もっとも、開業医の立場というものももう少し考慮してもらいたいところもありますけれど・・・
いずれにしても、全科的にはものすごい数の勉強会が毎日行われているわけで、その中から自分が必要とするものをうまく選択して、日々の診療に生かしていくことが大切。 医者は一生勉強と言いますが、本当に知識のアップデートを怠ると大変な事になるので、サボるわけにはいきませんね。